あらぬ妄想を掻き立てるうち、長島は新しいカギを入手したいという気持ちでいっぱいになった。
「待てよ、彼女の部屋の横に非常階段があったな。あそこに身を潜めていたら、バレることなく、彼女が帰って来たときに一緒に部屋に押し入ることができるのではないか」
長島はガムテープやアイマスクなどを準備し、通販で目出し帽や性玩具などを購入。歩美さんを緊縛してレイプするという、愚か極まりない計画を実行することになった。
事件当日、長島はマンションの裏口から入り、非常階段を上り、歩美さんの部屋の横で待った。目出し帽にサングラス、野球帽をかぶり、手袋をして、手にはカッターナイフを持っているという、いかにも不審者然とした格好だ。
やがて歩美さんが帰宅し、カギを差し込んでドアを開けた途端、非常階段から飛び出し、ドアノブを引っ張り、玄関の中に押し入ってカギをかけた。
歩美さんは驚いて、腰を抜かした。
「傷つけはしない」「服を脱いで」
「傷つけないで……」
「傷つけはしない。中に入れ」
長島は歩美さんが抵抗するようなタイプの女性ではないことは、最初から分かっていた。
立ち上がらせて、「奥の部屋へ行こうか」と言うと、歩美さんは素直にその通りにした。
「帰ってきたんだから、コートぐらい脱いだらどうだ?」
「寒いからいいです」
「エアコンをつければいいじゃないか」
普通に会話していてもバレていない様子だ。
「スマホと部屋のカギを出して」
スマホを渡した歩美さんは、コートの中のポケットに手を突っ込み、「カギは持っていないです」と答えた。
「まァ、いいや。スマホのパスコードを教えて」
歩美さんはそれを教えず、指紋認証でロック解除した。
「パスコードを教えてよ」
しつこく言い寄られ、何をされるか分からず、怖くなって教えた。
「何がしたいんですか?」
「エッチがしたい。服を脱いで」
「私、好きな人がいるんです」
それは知っていたが、興奮状態の長島には関係なかった。歩美さんに命じて、下着姿にさせた。
