ウクライナ戦争によるエネルギー危機で、長年「脱原発」を貫いてきたドイツ国民の意識に変化が生じている。ドイツ出身の文筆家マライ・メントライン氏が文藝春秋PLUSの番組「+RONTEN」で語った、現地の人々の考えとは。(全2回の1回目/続きを読む

【ドイツの“中国依存”がもたらしたもの】BYDに負けたドイツ車|かつての財政「優等生」がいまや「病人」|若者は右派にシフト|クリーンエネルギーの未来【唐鎌大輔×マライ・メントライン】

(初出:「文藝春秋PLUS」2025年11月17日配信)

「雰囲気が暗い」ドイツ

 ドイツ経済の不振が深刻化する中、現地について「雰囲気が暗い」とマライ氏は語る。

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「国民もそうですし、経済界もそうなんですよね。コロナ禍の後に、やっとドイツの経済がまた盛り上がっていくよね、というタイミングのウクライナ戦争だった」

ロシアからの天然ガス供給が止まり…

 特に深刻なのがエネルギー問題だ。「ロシアから天然ガスの供給が止まって、コストが上がっていて、ものすごく経済界の負担になっている。特に重厚産業はそうです」と現地の苦境を説明する。

マライ・メントラインさん

 電気代については「3倍とまではいかなくとも、2倍にはなっています」と具体的な数字を挙げた。ドイツでは電気プランが自由化されており、「このプランだと何%が原発、何%がソーラー」といった具合に、国民がエネルギーの割合を選択できるシステムになっている。

「ドイツ人はクリーンなエネルギーが好きでした。お茶している時に『あなたの家の電気プランは何%がクリーンエネルギー?』と聞くくらい」