私が最初に観測隊に参加した34年前は、調理隊員は嗜好品として大量のお酒を購入していたことを覚えています。
第66次隊の調理隊員に聞いたところ、最近の隊員はお酒をあまり飲まないようで、代わりにノンアルコール飲料や炭酸飲料を好む傾向があるようです。時代とともに隊員たちの嗜好が変わってきているのだと感じます。
さらに、南極は気温や湿度などの環境が日本と大きく変わるためか、食の好みが変わってしまうことがあります。
私の場合、南極に来ると、普段以上にチョコレートが食べたくなりますし、同様にアイスクリームを無性に食べたくなるという隊員もいます。第65次越冬隊では、南極に来て嗜好が変わり甘いものを好む隊員が多かったためかチョコレート不足が発生したようです。このように、嗜好品は調理隊員泣かせの難しい調達品なのです。
意外と快適な南極生活
かつて南極は、国内や海外の情報からも隔絶されていましたが、最近の通信衛星回線の劇的な発展により、テレビ番組もYouTubeも新聞・雑誌もデジタル版であればほぼリアルタイムで情報を入手することができます。家族や友人・知人らとのSNSもつながります。国内と変わらない情報の入手は、隊員たちの精神を安定した状態に保つための大きな支えになっていると思います。
カメラやパソコンなども予備があると便利です。昭和基地周辺では、夏の期間は雪が解け地表が露出することから土埃が空気中に舞っています。土埃の中には鉱物の雲母など微小粒子が含まれていて、カメラのレンズやパソコンを屋外で剥き出しで使用していると、これらの微小粒子によってレンズや画面に傷がつくなどして故障することもあります。
第60次隊の際には、インターネット環境に制限がある「しらせ」艦内でネットワークから1カ月以上切り離されたくらしをしていたら、Office製品が使えなくなる現象に見舞われました。念のため持ち込んだもう1台のノートブック型PCに助けられました。