『ワーキングマン』

 まずは、新年を飾るにふさわしい、賑やかな1本から。

 2024年『エクスペンダブルズ ニューブラッド』、25年『ビーキーパー』と、日本の映画興行はジェイソン・ステイサムの主演作で幕を開けた。そして、この映画で3年連続となる。

『ワーキングマン』

 今回も、最強のステイサムがひたすら悪をシバキ倒す内容。頭を空にして観ながら、スカッとさせてくれる。

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 凄腕の男が引退して日常的な生業につくも、普段お世話になっている人が悪党の被害に遭ったことから、その壊滅に乗り出す――という展開は前作『ビーキーパー』と酷似している。養蜂業者から現場監督に職業が変わっただけ――ともいえる。別に普段の仕事の技能が後の悪党狩りに活きているわけでもない点も同じで、この手法なら今後も無限にパターンを量産することができるだろう。近年は「とにかく強いヒーローが、とにかく悪い悪党とド派手に闘う」という大がかりなアクション映画は縮小傾向にあるだけに、実に心強い。

 嬉しいのは、それだけではない。

 本作で重要なポイントなのが、脚本にステイサムの盟友でもあるシルヴェスター・スタローンが入っていること。『ロッキー』シリーズをはじめ、実は名脚本家でもあるスタローンの腕は今回も冴えている。この手のアクション映画にありがちな、ただ容赦なく悪党をぶちのめしていくだけの内容になっていないのだ。そのため、刺激と緊張感が持続され、途中で飽きが来ない。

 特に良いのは、敵側のキャラクターの一人一人を個性的に際立たせた上で、それぞれにふさわしい倒し方を用意している点だ。中でも、一度は主人公のことを高く買ったものの、渡世の義理で対峙しなければならなくなった相手との死闘はドラマチック。それを倒した後に主人公が見せる心遣いも含め、スタローン脚本らしい目配りが行き届いていて心憎い。

『ワーキングマン』
監督:デヴィッド・エアー/脚本:シルヴェスター・スタローン、デヴィッド・エアー/出演:ジェイソン・ステイサム、デヴィッド・ハーバー、マイケル・ペーニャ、ジェイソン・フレミング/2025年/アメリカ/116分/配給:クロックワークス/©2025 CADENCE PRODUCTIONS LIMITED/全国公開中