台湾中部の田舎町から、一念発起してフランス・パリへ。養鶏場を営む38歳の女性リン・フイジュンは、「サリー」という名でマッチングアプリに登録。そこで知り合ったフランス人男性の求愛に胸をときめかせ、真実の愛を求めて旅立つ……。映画『サリー』は、現代の社会問題であるロマンス詐欺を題材に、独身女性の恋と成長を描いたロマンティック・コメディ。企画段階から大きな注目を集め、台湾国内のみならず海外でも高い評価を受けた。

『サリー』ポスタービジュアル

人気俳優リン・ボーホン、『サリー』を語る

 本作で姉のフイジュン(エスター・リウ/劉品言)を心配する弟ウェイホン役を演じたのが、リン・ボーホン(林柏宏)だ。日本でも人気の台湾映画『僕と幽霊が家族になった件』や『本日公休』をはじめ、2025年の台湾No.1ヒット作『96分』(2026年3月13日公開)でも主演を務めるなど、いまや台湾屈指のスター俳優となった。

リン・ボーホン

「脚本を読んで感動しましたし、とても好きな物語だと思いました。主人公のサリー(フイジュン)と彼女の生活、彼女の周囲にいる一人ひとりまでがとてもリアルに描かれていると感じたからです」

ADVERTISEMENT

 映画としての空気感にも惹かれたという。「作品のロマンチックでかわいらしい雰囲気は、リエン・ジエンホン監督が台湾の農村に見たものだと思います。登場人物の誰もが幸せを追い求めていて、観客が切なくも温かい気持ちになれる作品だと思いました」

リン・ボーホン(左)とエスター・リウ(右)

 物語は台湾中部に位置する台中の田舎町で展開する。ボーホン自身は台北出身だが、演じるウェイホンが暮らしている農村には親しみがあるそうだ。子どものころ長期休みになると、台中のすぐ南、彰化(ジャンホワ)市の農村にある祖父母の自宅でしばらく過ごしていたという。

「この役を演じられたのは“縁”だと思います。彰化には親戚の子どもたちがたくさんいて、あぜ道や農道を走り回ったり、虫を捕まえたり、花を取ったり、用水路で魚やエビをすくったり、焼き芋をしたり……。僕の少年時代は農村風景に満ちていました」