遺書として残したビデオレター
2015年4月3日、伊藤さんはTBSワシントン支局長の山口敬之氏から食事に誘われ、酩酊した状態でホテルに連れていかれレイプされた。そう訴えたが山口氏は合意があったと主張。彼が当時の安倍晋三総理と親しかったことが事態を複雑にする。警察の捜査は進まず、伊藤さんは変化を望み実名で被害を公表。すると事件を疑う人々から誹謗中傷が殺到する。
伊藤さんは自らカメラと携帯を手に“記録”を始めた。例えばタクシー運転手の証言。ホテルに着いた時、伊藤さんはほとんど意識がなかったと話す。次いで警察で事件を担当した捜査官A。山口氏に逮捕状が出たのに、警視庁刑事部長だった中村格氏が逮捕直前にストップをかけたという驚きの内情を明かした。さらにホテルの防犯カメラの映像。伊藤さんが山口氏を訴えた民事訴訟でホテルから証拠として提供されたもので、伊藤さんが山口氏に抱きかかえられるように運ばれる姿が映っている。
一方、伊藤さんが自ら命を絶とうとした時の映像も使われている。家族に遺書として残したビデオレターを、涙を流しながら自撮り。その後、一命をとりとめて病院で目覚めた時、病室の様子をスマホで撮っている。本人は撮った記憶をなくしていたが、編集担当の山崎エマさんが見つけ出した。山崎さんは小学校や甲子園を舞台にしたドキュメンタリーの監督として知られる。この映像について伊藤さんは1月9日、大阪での公開初日に舞台あいさつで語った。
「当事者としては特に母には見せたくなかったものだし、すごく泣いてるところを自ら入れるなんてどうなんだろうと思いましたけど、多分死にたかったんじゃなくてどうしても生きて伝えたかったんだなと思って、出してもいいかなと感じました」

