額から後頭部に抜けていく衝撃…初まげのご祝儀「コンパチ」とは?
力士の象徴である、まげ。新弟子が初めて結うと、親方や関取たちから、ご祝儀と「コンパチ」をもらうのが角界の習わしだ。
角界でコンパチというのは、デコピンのこと。「すごいよ」と繰り返し聞かされたので、興味本位でやってもらったことがある。
大鵬親方(元横綱)の弟子で、引退後は相撲協会の裏方である「世話人」を務めていた故友鵬さん。沖縄の宮古島出身で、浅黒く日焼けした友鵬さんの中指は、男性の親指ほどの太さがあった。
「やめときなよ」という周囲の忠告を聞かず、高校球児のように、「バッチ来い!」と言った自分がバカだった。
「ドシッ!」
すさまじい衝撃が、額から後頭部に抜けていった。思わずうずくまり、左手で額、右手で後頭部を押さえた。一瞬、頭をヤリで突き刺されたのかと思った。
この「コンパチ」は、パチンコをひっくり返して生まれた相撲隠語らしい。
「うちでは、コンパチなんて野蛮なこと、やんないっすよ~」
「コンパチって、何ですか?」と尋ねる若い衆に…
八角部屋の人気関取だった隠岐の海(現君ヶ濱親方)がそう語ったことがある。実にウソっぽい話しぶりだったのだが、本当にコンパチを知らない部屋の若い衆がいた。
部屋では、八角理事長(元横綱北勝海)の師匠で相撲解説者だった故北の富士さん(元横綱)に、和服の着付けなどを手伝う付け人をつけていた。この付け人が知らなかった。
「コンパチって、何ですか?」と尋ねる若い衆に、「それだけは教えられないなあ」と北の富士さん。若い衆が「なんですか。教えてくださいよ」とせがむので、堅く約束させた。
「いいか。北の富士からもらったなんて言うなよ。よし、目をつぶれ」
コンパチをもらった彼は、せがんだ自分を悔いたそうだ。「だから言ったろ。……誰にも言うなよ」と北の富士さん。やられた付け人は「暴力反対」とうめいたとか。
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