例外的に東京23区内9火葬場のうち、民間が7(東京博善が6カ所で板橋区の戸田葬祭場が1カ所)であるのは、墓地埋葬法の規制を受ける前の創業だったためだ。
民営の火葬場と公営の火葬場の料金設定の違い
民営であるために自治体運営の火葬場のような税金による補填はない。従って料金設定は高く、東京博善が値上げした2024年の時点で、東京博善の9万円に対し戸田葬祭場が8万円。
23区内には他に東京都の公営斎場である瑞江葬儀所(江戸川区)があり、こちらが5万9600円で、大田区、品川区、目黒区、港区、世田谷区の広域組合が運営する臨海斎場(大田区)が4万4000円である。
23区外の都下の火葬場と比べるともっと顕著で、青梅市民斎場、立川聖苑、八王子市斎場、日野市斎場など8つの公営火葬場では、そこに住む市町村民の料金を無料にしている。近隣の市町村と比較するとバラつきがあり、横浜市は1万2000円、千葉市は6000円である。この差は大きいが、差額は税金の投入額によって生まれる。
従って公営斎場も管轄外の利用者には別料金を設定しており、瑞江葬儀所が7万1520円、臨海斎場が8万8000円、無料の立川聖苑も住民以外は8万円、横浜市が5万円で千葉市は6万円である。住民以外だと高額になるにせよ、通常は「地元の公営」を利用するため、東京博善の利用料金の高さは否めない。
「火葬待ち」の社会問題化…高い稼働率維持のための値上げ
東京博善は遺体燃焼時間の短いロストル炉を採用しており、それもあって火葬件数の調整は可能だ。2023年12月、「当日の火葬予約も可能の状態を維持」していると発表した。亡くなる人の数が増えて1週間待ち、10日待ちが当たり前になっているという「火葬待ち」が社会問題化し、マスメディアの報道が相次いでいた。
東京博善の「営業日と営業時間の拡大でいつでも火葬に対応できる」というこの発表は、高い稼働率を維持するためにもメンテナンス費用が必要だという説明につながっており、それは値上げ批判への回答でもあった。