「4年間で約52%の増額となった」火葬料金は9万円まで値上げされ…
2021年1月、東京博善は火葬炉の「最上等」の大人料金を5万9000円から一挙に3割増しの7万5000円とした。東京博善には6つの斎場を合わせて63基の火葬炉があり、40基が「最上等」なので、「最上等」といいながら、これが標準クラスである。
その上に「特別室」、さらにワンランク上の「特別殯館」「貴殯館」があるが、他地区の公営火葬場が1つの炉による火葬料金なので、「最上等」が比較対象となる。
値上げは一度にとどまらなかった。2022年6月から燃料費特別付加火葬料を設け、ガス・電気代の値上げに燃料代をスライドして徴収する方式を導入。航空業界では国際線旅客機で「燃油サーチャージ」と呼ばれる燃油特別付加運賃を導入しているが、その発想を取り入れた。7600円で導入され、徐々につり上がって最終的には1万2200円となった。
さらに2024年6月、「最上等」の価格を9万円とした。同時に燃油サーチャージが廃止されたために実質的な値上げは2800円だが、4年間で約52%の増額となった。
東京23区内に民営の火葬場がある理由
日本環境斎苑協会の調べによると全国には1454の火葬場があり、そのうち97%の1407が公営である。公営が多いのは、1948年に施行された「墓地、埋葬等に関する法律」(墓地埋葬法)が、「公共」を定めているからである。第1条にこうある。
《墓地、納骨堂又は火葬場の管理及び埋葬等が、国民の宗教的感情に適合し、且つ公衆衛生その他の公共の福祉の見地から、支障なく行われることを目的とする》
葬法や墓地に関する唯一の法律である墓地埋葬法がこう定め、しかも火葬場などの許認可権を持つ厚生労働省が火葬場の経営主体について、「原則として市町村等の地方公共団体でなければならず、その他は宗教法人、公益法人に限る」とした通達を何度も出している。
