「100%子会社となる前は東京博善と価格も含めた交渉の場を持っていました。ただその後は、交渉の場はあっても聞き置くだけの『ガス抜き』の場となりました。さらに葬儀業への進出。葬儀業を営むこと自体は問題ではありません。しかし火葬場という公共事業に相当する施設を、優先的かつ利益追求の手段として使うのは、問題ではないでしょうか」
「独占禁止法違反は明らかでしょう」容赦ない東京博善への批判
東京で葬儀業として90年近い社歴を誇る佐藤葬祭の佐藤信顕は、登録者数も多い「葬儀葬式」を運営するユーチューバーとしても知られる。歯に衣着せぬ物言いで人気が高く、東京博善批判も容赦ない。
「(23区内の火葬の)7割を独占していて、価格決定を含め独占禁止法違反は明らかでしょう。でも、その状態を放置してきた行政の責任もあって公取(公正取引委員会)はなかなか問題にしない。燃油サーチャージとか骨壺の抱き合わせ販売とか、優越的地位の乱用を指摘できる案件は少なくないんですけどね」
葬儀業界だけでなくお寺関係の反発もあった。佐藤によれば、僧侶の着替え場所を用意せず、休憩室をパーテーションで区切って使わせるなどして、その配慮のなさが僧侶のプライドを傷付けたという。
もちろん東京博善も改善は進めており、骨壺持ち込みの葬儀社に不利な扱いはしておらず、僧侶控室を用意するなど環境は整えている。ただ、それも含めて東京博善の独占的立場がさまざまな問題を派生させているという点は、濱名と佐藤に限らず多くの葬儀業者が指摘した。
「結局、数々の問題解消には自治体や宗教法人が、規模が小さくとも火葬場を作っていくしかありません」(佐藤)