少女の「父親」を名乗り、援助交際相手から300万円を脅し取ろうとした46歳の男。その正体は、前科2犯の無職男だった。彼はなぜ17歳の少女を支配し、援助交際に仕向けることができたのか。そこには、甘い言葉と嘘で恋心を利用する、あまりに悪質な手口があった。
裁判で明らかになった男の身勝手な動機と、裁判長が激怒した理由とは――。なおプライバシー保護のため、登場人物はすべて仮名である。(全2回の2回目/最初から読む)
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少女を援助交際に仕向けた悪質手口
42歳で出所したとき、赤間にできる仕事は何もなかった。体を壊して生活保護を受けることになり、月12万円での暮らしを余儀なくされた。月4万円の家賃を支払うと、ほとんど金は残らない。赤間はかつての生活を思い出して溜息をつき、ミクシィで「療養中の実業家」を名乗り、親に対する不満をブログに書いていたサヤカと接触した。
〈親の本音は他人に迷惑をかけるなということじゃなく、自分に迷惑をかけるなということなんだ。それは親のエゴでしかない。親の幸せは子どもの幸福と信じて疑わないような親は根本的に間違っている〉
サヤカは赤間の書き込みに感銘を受け、赤間とメールのやり取りをするようになった。赤間は「実業家」時代の派手な暮らしを並べ立て、「体を壊して事業が頓挫し、妻子とも別れることになった悲運」を語り、「代わりにキミを幸せにしたい。そのためには金が要る」という話を絡め、サヤカに恋愛を装って接近した。
サヤカの17歳の誕生日を祝って、会ったその日に肉体関係を持った。詐欺師の常だが、赤間は過去を美化して自分が価値のある人間であるかのように装い、「世の中金だなァー、カミさんは美人セクシー女優だった。いつも財布には10万円以上入っていて、常に金があったからなァー」などと言って、うまく女同士のジェラシーを焚きつけた。
サヤカをお姫様のように扱う一方で、常に「金がない」と繰り返し、1~2カ月ほど経った頃、「オレのために働いてくれないか。男と一緒に風呂に入ってセックスするだけだから」と援助交際を持ちかけた。
「援助交際なんかしたら、私のことを嫌いにならないの?」
