俳優活動だけでなく、パーカッションバンド・BON-BON BLANCOなどで活躍してきた俳優の美馬アンナさん。2019年に出産した長男・リタさんは「先天性四肢欠損症」で、生まれつき右手がない。

 リタさんの出産・育児を通してさまざまな差別・偏見に直面してきたアンナさんに、障害をめぐる世間の過剰な反応や、日本と海外の受け止め方の違いなどを聞いた。(全4回の2回目/つづきを読む

先天性四肢欠損症の長男・リタさんを育てる美馬アンナさんに、これまでに経験した差別・偏見や、国内外の障害に対する受け止め方の違いを聞いた(写真提供=本人、以下同)

◆◆◆

ADVERTISEMENT

「あ、うちの子は障害者なんだ」自らの“偏見”に苦しむ日々が続いた

――長男のリタさんは生まれつき右手がない「先天性四肢欠損症」ということですが、障害について知識などはありましたか。

美馬アンナさん(以降、アンナ) リタを産むまでまったく聞いたことがなかったので、先生から病名を言われた時も、「センテンセイ…シシ…“シシ”って何のこと?」という状態でした。

――そこから、すぐにスマホで調べたりして?

アンナ 出産後の入院中はずっと調べてました。「手がない 子ども」みたいな検索ワードからはじめて、「原因」もいっぱい調べて。自分の手を息子に移植する方法はないかと、海外の事例を調べたりもしました。

 そんな中、どのページにも「障害」と書いてあって。それで「あ、うちの子は障害者なんだ」「普通とは違うんだ」とあらためて認識して、ショックを受けている自分がいました。

リタさんを育てる中で、自らを責める場面も少なくなかったという

――ショックを受ける自分にもショックというか、障害に対する自分の偏見を発見したような気持ちにもなりましたか。

アンナ そうですね。その後も「こういう障害で手がないんです」と、障害について口に出せば出すほど、「この子は普通とは違うんで」と、マイナスなことを言っているような気がしてしまうし、そんな風に思ってしまうことも子どもに申し訳なくて。

「かわいい赤ちゃんね」とベビーカーをのぞかれると、反射的にブランケットでリタの右手を隠してしまったこともありました。

――育児している中で、自分は障害をネガティブなものと捉えていると気付かされるというか。

アンナ そういう自分も悔しくて、情けなくて。だから昔は公園から帰ってくる度に、玄関で泣きながら「ごめんね、本当にごめんね」と、息子に謝っていました。

 同時に、こんな自分じゃないはずなのに、自分が気持ち悪い、という思いもすごくあって。