「旦那が大変な時に、嫁はのんきにランチかよ」
アンナ 夫の成績が悪い時にはSNSを更新できないというか、何も言っちゃいけない空気はありましたね。
――夫が試合に負けた日に、たとえばランチの写真をアップするとか?
アンナ 分かりやすく言うとそんな感じですね。「旦那が大変な時に、嫁はのんきにランチかよ」みたいにファンから言われがちなんです。
でもそれって、妻を夫の“付属物”としてしか見てないってことじゃないですか。「プロ野球選手の妻はこうあるべし」なんて勝手に決められること含め、私はご勘弁って感じだったので、気にせずやりたい放題してました(笑)。
――SNSで攻撃に遭うこともある?
アンナ ありましたね。「お前がいるからチームがダメになる」とか「もうやめろ」とか、果てしなかったです。それこそリアルでも、球場で観戦していて隣に私がいるのをわかっていて、「美馬、もう引退だな」ってわざと言ってくる人もいました。
そういう言葉に対しては全部、「じゃあお前がやってみやがれ」に尽きますね。
――選手や家族の苦労や努力も知らずにあれこれ言ってくる人が多いと。
アンナ 夢を売るお仕事ですし、華々しい世界なので活躍して当たり前と思われがちですけど、特に引退前の2年間は本当に苦労の連続でした。
ちょっと良くなったと思ったら、次の日には冷蔵庫の扉を開けるのも難しいほど激痛に襲われて、また振り出しに戻って。暗闇の中でひたすら自分と向き合ってきた彼を知っているので、心無い言葉をかけてくる人に対しては、「悪いけどあなたには絶対できないよ」って思うだけですね。
――試合結果やコンディションの良し悪しでご家族が気をつかう部分もあった?
アンナ 彼はあまり家に持ち込むタイプではないので、その点も楽でしたね。
とんでもなく打たれちゃった時は、なんて声かけようかなって一瞬考えたりもしましたけど、生きてればそんな日もありますよね。だから、勝っても負けても、彼以上に悲しまず、彼以上に喜ばない、というのは心がけていたかなと思います。
