――初めて出た大会で3位になったことで、「これぞ私の進む道だ」と確信したのでは。
竹中 「目標が明確になるな」と感じましたね。その大会で2位になった方が、わりと細身だったんです。大人なので身長はありましたけど、力が強いというよりうまくて。競技で使われる言葉で伝わりづらいと思うんですけど、「硬い」感じがした選手でした。
――「硬い」。
竹中 すごく重要なんです。アームレスリングでは、強さの種類として「硬い」と表現することがあります。意味合いとしては「特定の関節の固定力がすごい」ことだと思うんですけど。そういう選手は自分の土俵での戦いがうまい方が多いです。
――2位だった「硬い」選手が“目標”になったわけですか。
竹中 目標というより、自分の可能性が見えるきっかけになりました。「体格的に大きな差がない細身のこの人が技術で勝ち上がれるなら、身体が小さい今の私でもそうなれるかも」と。
――ちなみに1位になった選手は、もっと硬かったとか?
竹中 おそらく30~40歳ぐらいのガッシリしたパワフルなファイトスタイルの方でした。その人に関しては「ちょっと、この人みたいになるのは体型的にも競技的にも難しいな」と思いましたね。
大会での3位をきっかけに、練習も含めて一気に選手モードへ
――初めての大会は、お父さんに勧められて出場を。
竹中 「よし、大会に出るぞ!」という雰囲気ではなく、父が大会に出るので家族でついて行ったら、主催者の方から「娘もやっているなら出してみな」と言われて。飛び入りだったんです。
――飛び入りで3位ですから、お父さんは大喜びだったでしょうね。
竹中 リアクションは、あんまり覚えてないんですよね。でも、表彰の時には「ガッツポーズしろ」と言われたような記憶があります。
――大会での3位をきっかけに、練習も含めて一気に選手モードへ。
竹中 なりました。小6あたりで父が家でアームレスリングの道場を始めたんです。それまでは週2回の練習で、しかも顔を出したり出さなかったりだったんですけど、大会を機に「ちゃんとやろう」って毎週参加して、練習の頻度を高くしました。
写真=志水隆/文藝春秋
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