――世界王者になった途端に環境が激変しそうですね。
竹中 さすがに「世界」というところで、大会に呼んでくれるところがすごく増えました。海外のプロマッチにも呼ばれるようになりました。
――海外のプロマッチになると、遠征費などはどうなるのですか。
竹中 呼ばれる場合は、ちゃんと出ます。トルコでやっていた「East vs West」という大会は、興行としてちゃんと成り立っていて。観戦チケットやペーパービューやグッズなどでお金を回して、競技の発展のために選手にファンを付けるということを運営がやろうとしているのがしっかり見えています。
会場に行くと、握手や写真、サインを求められたり。そういうところは日本とは全然違いますね。
「まだ全然伸びるんだ」「ここがゴールじゃないな」と感じた
――長年の目標だった「世界を獲る」を達成すると、「燃え尽き症候群」に陥りそうですが。
竹中 私もそれが結構不安だったんですけど、獲った瞬間に「まだ全然なんだな」っていうのを感じちゃって。
右腕の決勝の相手が、2017年に負かされた相手だったんです。ガッツリ負けてしまったこともあって、ずっとその選手を目標にしてきました。それが2023年には一転して、わりと余裕を持って勝てちゃったんですよね。その時に「まだ全然伸びるんだ」というのを自分で感じて、「ここがゴールじゃないな」と。階級を上げてやっていこうと思いました。
――次の目標は、さらに上の階級での「世界を獲る」ことだと。
竹中 そうですね。2024年のプロマッチで、60kg級の世界チャンピオンと対戦させてもらったんです。その選手は60kg級で世界選手権もヨーロッパ選手権もずっと圧勝し続けている人で。
7本勝負4本先取の試合で最終的には負けてしまったんですけど、2本取ることができて手応えも感じました。60kg級で世界のタイトルを獲るという目標の実現もそんなに遠くないと思っています。
――月に1度は実家に帰って、お父さんに練習を見てもらっているそうですね。
竹中 はい。普通に組んでもらって、手を見てもらっています。父は引退して8年ぐらいになるので、力ではそろそろ勝てるようになってくると思うんですけど、やっぱり自分よりも自分のことを知っていると思うので。私の「手」を本当に最初から作ってきたのは父なので。いろいろ話していると、やっぱり新しい発見があります。
写真=志水隆/文藝春秋
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