令和8(2026)年1月20日過ぎあたりから日本列島は一級の寒気に覆われて、朝晩は厳しい冷え込みが続いている。吹きすさぶ北風。凍える指先。そして白い息。こんな時、駅ホームにあると嬉しいのが立ち食いそば屋だが、寒さによって一気に魅力を増すのが立ち食いラーメン屋だ。

 東京の立ち食いラーメン屋といえば、千駄ケ谷にある「ホープ軒」が有名だ。ほかにも恵比寿にあった「恵比寿ラーメン」は〆に最高だった。店舗数でいえば立ち食いそば屋より少ないのだが、「新橋ニューともちんラーメン」などの新興勢力の台頭で急増している印象がある。客の回転がよいため、狭小でも店舗運営ができ、浮いた賃料分を素材にかけることができる。おいしいラーメンを提供すれば立ち食いでも人気化する。十分理解できる。

 そんな立ち食いラーメン屋、駅ホームに位置する店舗は意外と少ない。そばに比べると提供時間がかかること、鉄道の安全上の配慮などが理由だと思うが、現存する店舗に熱いファンが多いのもまた事実。そんな訳で、今回は寒くなると無性に食べたくなる、駅ホームの立ち食いラーメン屋を訪問してみることにした。

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ワンタンがプルップル…西新井駅「西新井らーめん」

 駅ホームの立ち食いラーメン屋を目指して、まず北千住から東武スカイツリーラインに乗り、西新井駅で下車。

 下り3・4番線ホームの中ほどにあるのが「西新井らーめん」だ。昭和44(1969)年創業の老舗店である。午前10時過ぎということもあって、先客は1名とすいていた。

まず1軒目の西新井駅「西新井らーめん」へ。訪問は1年ぶり

 こちらはそばうどんの提供はなく、ラーメン専門の立ち食い店である。「ラーメン」(620円)、「チャーシューメン」(850円)、「ワンタンメン」(770円)、「ワンタン」(700円)、「みそラーメン」(830円)などのメニューが並ぶ。

メニューはラーメン中心でワンタンもある

 長考の末「ワンタンメン」を注文した。「ワンタンメン入りました~」と店のオバちゃんの声が通る。階上にコンコースがあるため、注文を待つ間、北風が余計に寒く感じられる。5分ほどして登場した「ワンタンメン」をみてテンションが上がる。

「ワンタンメン」(770円)に胡椒をかけて

 丸鶏で炊いたスープと醤油系の返しを合わせたきれいなつゆに、メンマが数本、大き目のチャーシューが1枚、ワンタンが数個入って、ワカメ、ナルトとネギがのる。まず、つゆをひとくち。そばつゆにはないコクとうま味が口内にドバっと広がる。『この味、これこれ、アツアツだ』とつぶやく。

 つゆの油はあっさり。具材をかき分け中太の麺を持ち上げて食べてみると、つるっとしたコシのある麺が心地よい。胡椒をかけてチャーシューをかじるとちょうどよい歯応えだ。ワンタンもプルップル。つゆを飲む、麺をすする、具材を食べるを繰り返し楽しむと、あっという間に食べ終わる。

「久しぶりでおいしかった」とオバちゃんに告げると、衝撃的なニュースが返ってきた。