フリーライターの石井謙一郎氏が入手し、「週刊文春」が報じた世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の極秘内部文書「TM特別報告書」。報告書の中には安倍晋三元首相が銃撃され亡くなった2022年7月8日に、当時参議院選挙を戦っていた佐藤啓氏が教団の「応援集会」に招かれ、妻が参加していたとする記述がある。その記述について佐藤啓官房副長官は、報道各社に「私の代理として妻が参加したことは事実だ」と認めた。

 

「週刊文春」はこの疑惑について確認するべく、1月上旬に質問状を送付し、1週間以上にわたって、佐藤事務所に何度も書面で問い合わせていた。しかし、一切回答は寄せられなかった。本人が認めた統一教会との接点。一体、どのような内容だったのか。1月14日配信の「週刊文春」記事を再公開する。

 2022年7月8日午前11時31分。奈良市、大和西大寺駅前で佐藤啓参院議員の応援演説中に安倍晋三元首相が凶弾に(たお)れた。現場はパニックに陥り、間もなく統一教会信者2世の山上徹也被告が逮捕されたが、実はこの日、佐藤氏が、自身のために統一教会が開いた応援集会に招かれていたことが、「週刊文春」の取材でわかった。

高市氏が信頼する佐藤氏 ©時事通信社

7月8日、佐藤氏は統一教会の応援集会に招かれていた

 驚愕の事実が記されているのは、フリーライターの石井氏が入手した、統一教会の「TM特別報告」と題された文書。TMとは「トゥルーマザー(真のお母様)」の略で、韓鶴子総裁のことを指す。

 この文書には、統一教会の会長だった徳野英治氏や天宙平和連合(UPF)ジャパンの議長だった梶栗正義氏が、教団本部に宛てた報告などが記載されている。1月8日、徳野氏は自らの報告が載った文書であることをXで正式に認めた。

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 TM特別報告には、銃撃事件当日について、奈良教区長の次のような報告が記載されている。

〈本日、勝利に向けた全食口(シック)総動員・天心苑祈祷出発式が終わり、自民党奈良県公認候補の佐藤啓候補者の応援集会を10時から行いました。候補者本人は11時からある大和西大寺駅前での安倍元総理の応援演説があるため来られず、夫人が代わりに来て奈良教会で応援集会を行いました〉

「食口」とは統一教会の会員を指す。つまり7月8日、佐藤氏は統一教会の奈良協会で行われた応援集会に招かれていたが、安倍氏が急遽応援に来たため、名代として佐藤氏の夫人が参加したというのだ。さらに報告書には、応援集会の後、食口たちが佐藤氏の勝利のために有権者に電話をかける選挙支援を行っていたことも記されていた。