1月14日に行われた「歌会始の儀」に初めて出席し、トンボの歌を詠まれた悠仁さま。その歌に込められた思いとは……。秋篠宮さまの貴重な肉声をつづった『秋篠宮』(2022年/小学館)などの著書をもつ、ジャーナリストの江森敬治氏が寄稿した。
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新年恒例の「歌会始の儀」が1月14日、皇居・宮殿「松の間」で行われた。今年のお題は「明」で、天皇、皇后両陛下や長女、愛子さま、それに秋篠宮ご夫妻と次女、佳子さまら皇族方をはじめ、一般応募の1万4600首から選ばれた入選者10人の歌などがそれぞれ、古式ゆかしい独特の発声と節回しで披露された。
《薄明かり黄昏とんぼは橋のうへ青くっきりと俊敏に飛ぶ》
今回初めて出席した秋篠宮家の長男、悠仁さま(19)は、このようなトンボの歌を詠んだ。
悠仁さまが詠んだ“トンボの歌”
《悠仁親王殿下は、ある夏の黄昏時に、赤坂御用地内の橋の上を俊敏に飛ぶトンボに目を凝らすと、薄明かりの中で青色の模様がはっきりと見え、それがマルタンヤンマだと分かりました。御用地内で夕暮れに高いところを飛ぶことの多いこのトンボを間近に見ることができたのが嬉しかった思い出を歌にお詠みになりました》
宮内庁は、この歌の背景などをこのように説明している。悠仁さまと言えばトンボである。トンボに対して、悠仁さまが強い関心を寄せてから実に、17年にも及ぶ。悠仁さまとトンボとの深くて長い交流の歴史を紐解いてみたい。
忘れられない「一枚の写真」
筆者にとって、トンボと悠仁さまの原点とも思える忘れられない一枚の写真がある。
それは、2008年8月、悠仁さまが両親と姉の小室眞子さん、佳子さまと一緒に那須御用邸に滞在し、散策した時の写真である。悠仁さまが2歳になる直前に撮影されたものである。散策中の秋篠宮さまが捕まえたトンボを、眞子さんが優しく悠仁さまに手渡している様子が写し出されている。
紀子さまに抱かれた幼い悠仁さまは、「これは何だろう」という表情で、眞子さんが差しだすトンボを怪訝そうにじっと見ている。この場面から17年以上、悠仁さまはずっと大好きなトンボを追い続けてきたことになる。

