特に危険なのが、長期休暇の遅れを取り戻そうと、1月に「ロケットスタート」を切ってしまうパターンです。ただでさえお正月は、「今年は○○を頑張るぞ」と、一年の目標を立てたりすることが多い時期です。休みの間に気分転換をして少し元気を取り戻し、必要以上に「今年は頑張るぞ」と、やる気でいっぱいになり、エンジン全開で一気に加速してロケットスタートを切ろうとしてしまうわけです。

しかし、人間の適応能力には限界があります。休暇モードから一気にフルスロットルの仕事モードへ切り替える際、心身には大きなG(重力)がかかります。1月は気合で乗り切れたとしても、その反動が2月になって「どっと」押し寄せるのです。

「仕事熱心で心配性の上司」は危ない

実は、二月病になりやすい人は、仕事熱心なうえに、先々のよくない結果を想像しがちな心配性が多いのです。その不安をおさめるために、駆り立てられるようにして仕事をしてしまうのです。

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彼らは無意識のうちに、「休んでいる間に何かが起きたらどうしよう」「スタートダッシュで失敗したら年度末が乗り切れない」といった不安を抱えてしまいます。その不安を打ち消すために、過剰なほどに仕事に没頭し、結果として燃え尽きてしまうのです。

その傾向は、管理職になるとさらに強まります。自分の仕事だけでなく、部下の仕事の責任も抱えて、のしかかる不安がさらに大きくなるためです。

これまで私がカウンセリングを担当した方々の事例を基に、典型的な「二月病」のケースを紹介します。

「マイクロマネジメント」はストレスを増やす

40代後半の会社員、田中さん(仮名)は、大企業の部長職を務めています。元来心配性で、いつも先々の心配をして、先手で打って対策をしてきたため、プレーヤーとしては非常に優秀でした。「備えあれば憂いなし」を地で行くタイプで、リスクを徹底的に潰す仕事ぶりは、周囲からも高く評価されてきました。

管理職になってもその「心配性」は健在です。それどころか、守るべき範囲が自分一人からチーム全体へと広がったことで、彼の不安は増幅してしまいました。