「警察の倉庫にあったが洪水で流れてしまった」

 しかし、その目撃証言を行った人物が後に明かしたところによれば、2人を見たことは事実だが、目撃したのは28日ではなく、そのことを当初から警察に話していたにもかかわらず、無理やり28日に見たことにされたという。また、他にも28日に現場付近で2人を目撃したという証言があったが、その人物も後に28日とは断定できないと証言を覆したことが判明している。

 こうした数々の矛盾を新証拠として、1983年12月、桜井、杉山両受刑囚および弁護団は再審を請求するが、水戸地裁土浦支部はこれを却下。東京高裁、最高裁も訴えを退け1992年(平成4年)4月に第一次再審請求が終了する。ただ、この間、弁護団は検察が段ボール9箱分にもおよぶ未提出記録を所持していることを知る。当然、弁護側は開示を求めたが、検察は「警察の倉庫にあったが洪水で流れてしまった」などと、苦しい言い逃れを続けた。

次の記事に続く 録音テープから“不都合な部分”が削除されていただけじゃない…警察に殺人者の汚名を着せられた「2人の男性」のその後の人生【布川事件】