その後、2人は…
2ヶ月後の8月29日、水戸地裁土浦支部は刑事補償法に基づき、2人それぞれ1億3千万円(1日当たり1万2千500円×365日×29年)と1審から上告審までにかかった裁判費用の約1千500万円を支払うよう命令。
さらに2012年12月12日、桜井さんは再審の判決で「検察側の証拠隠滅が冤罪に繋がったことが明白にもかかわらず、その点に裁判長が一切触れていなかった」ことに憤りを感じ、茨城県と国を相手取り、約1億9千万円の支払いを求める国家賠償請求訴訟を東京地裁に提起する(杉山さんは釈放後に結婚した妻や生まれた子供との時間を優先したいと提訴せず)。
7年後の2019年5月、同地裁は「検察官は公益の代表として、事案の真相を明らかにする職責を負っている。検察官の手持ち証拠のうち、裁判の結果に影響を及ぼすものについては有利不利を問わずに、法廷に出すべき義務を負う。これらの違法行為がなければ、遅くとも1973年の控訴審判決で無罪判決が宣告され、直ちに釈放されていた可能性が高い」として、約7千600万円の賠償を命じた(2021年8月の東京高裁判決に検察が上告しなかったことで確定)。
無罪判決確定後、2人は冤罪防止のため取り調べの可視化を訴える活動に尽力。その後、杉山さんは2015年10月に69歳で、桜井さんは2023年(令和5年)8月に76歳でこの世を去った。
