アキレス腱が平均で約1.3センチ短縮する靴

さらに「血流障害」が起きるリスクもある。靴が“合わない”ということは、その部分の静脈や動脈、毛細血管が少なからず圧迫されてしまうからだ。

「特に血管にダメージを受けやすい糖尿病などを抱えている人は、血流が低下することで、最終的には足の切断となるような大きなトラブルに発展しやすいです。また持病がない人でも、血流がスムーズでなければ、長時間の歩行で足のむくみやだるさが起きやすくなるでしょう」

ビジネスシーンでよく使われる「革靴」や「ヒール」は、どうしても足に負担がかかって「合わない靴になりやすい」という。実際に習慣的なハイヒール着用者では、アキレス腱が平均で約1.3センチ短縮するという報告もある。前回の記事で紹介したようにアキレス腱が短縮する、すなわち硬くなって働かなくなれば、足の血流が低下し、足のアーチがつぶれて痛みや病気につながる。

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「足にとっては、足の甲を固定する靴ひもを結ぶ靴(スニーカー)が望ましいです。男女ともに通勤時はスニーカーを、会社に着いたらビジネスシューズに履き替えるというスタイルもいいですね。構造的にはスニーカーだけれど見た目はビジネスシューズという靴を選ぶのも手です」

誰でもわかる「靴選びの原則」

また、たとえビジネスシューズであっても【靴選びの原則】に近づけることが重要だ。

先のフェラガモの言葉を踏まえつつ、改めて久道医師がその原則を述べる。

「まず、つま先が靴に触れないこと。1.5センチから2センチくらい、少しのゆとりがあるものがいいでしょう。次に足首を安定させるため、かかとの部分がしっかり作られていること、そして革靴の場合は難しいかもしれませんが、足指の付け根の部分のみで曲がる靴だとなおいいですね。またフェラガモの言葉にあるように『土踏まずが靴のアーチに合っている』ことも重要。合っていない場合は、中敷き(インソール)を入れるのが有効です。インソールを入れることで足への衝撃が緩和され、体重の負荷が分散されるのです」