青学大が史上初となる2度目の3連覇を果たした第102回箱根駅伝。往路に続き、駅伝マニアの「EKIDEN NEWS」(@EKIDEN_News)の西本武司さんが、あまりに細かすぎる復路の名場面を振り返った。
【6区】クセがすごい…創価大・小池莉希選手との約束
2024年の春、「ゴールデンゲームズinのべおか」の最終組で好走をした学生が歩み寄ってきました。
「創価大学の小池莉希(りき)と申します。僕にこれから注目してください」
これが彼との出会いでした。
当時2年生の彼は「僕は大学3年でブレイクするので、今じゃないんです」と言ったんです(笑)。
小池選手は元々、高校駅伝界の名門、佐久長聖高校出身。当時、チームには5000mの高校記録を持つ吉岡大翔選手(現・順天堂大)などがいて、全く目立たない選手でした。なにせ駅伝観戦仲間で佐久長聖ファンのポールさんですら「名前を聞いたことがあるかなぐらい」の知名度。
ところが小池選手はこの「ゴールデンゲームズinのべおか」で、佐久長聖高校の大先輩でもある上野裕一郎さん(ひらまつ病院)にぴたりとついて戦いを挑みます。走力の差は歴然。最後はついていけず惨敗をするのですが、ゴール後、上野さんに自ら握手を求めにいくという大物感。
しかも当時の上野さんは、立教大監督解任騒動の後でみんなが触れづらく、遠巻きに見ていた時期。そんななか、自ら近づいていくハートの強さに驚きました。
#GGN 5000mA
— EKIDEN NEWS (@EKIDEN_News) May 7, 2024
「ラスト200m。上野さんのスパートを後ろでみながら、
これはかなわないと思いました」
🥈上野裕一郎 ひらまつ病院 13分34秒54
(佐久長聖高卒/38歳)
🥉小池 莉希 創価大 13分37秒54
(佐久長聖高卒/19歳)@EKIDEN_News #note https://t.co/RoDzQp94oa pic.twitter.com/DSbSv4quGC
このときの印象が強すぎて、僕はずっと彼に注目をしていました。
「ブレイクするのは大学3年」の言葉通り、彼のレースはいつも同じでした。スタートダッシュで一瞬トップを走るけれど、後半大失速の繰り返し。あるときは、ペーシングライトを無視して、ケニア人のペースメーカーのはるか先を行って独走したものの、やはり失速。
「どうしたの?」と聞いたら、「一人で走って、27分台が出るかなと思ったら、やっぱり無理でした」
「この子大丈夫かな?」と思いつつ、ポジティブにやり続けていて、毎回面白いんですよ。
その後も彼は、レースのたびに僕のところに来て「今日はじっくりいきますから」と言うのですが、結局、いつも通り我慢できなくて飛び出して走ってしまう。それも日本インカレや日本選手権などの大舞台で、日本代表を狙うシニア選手や早稲田大の鈴木琉胤選手や青学大の黒田朝日選手ら、エース級を相手にやるわけです。レーシングカー相手に軽自動車が戦いを挑むようなものでした。
ついに3年生となった小池選手は…
その小池選手がついに「ブレイクする」と宣言していた3年生となり、今回の箱根は6区を走るという。「下り得意なの!?」と聞いたら、「いや、登りが得意なんですよね」と言うわけです(笑)。これは観に行かなければと宮ノ下まで行きました。山下りをする彼に「小池!!」とエールを送る僕に、彼は体を捻って振り返り、ガッツポーズをしながら、箱根の山中に消えていきました。
結果はご存知の通り、小池選手は56分48秒で区間賞を獲得。
6区の区間記録は56分47秒。つまりあのガッツポーズがなければ、区間新記録が出ていたかもしれない(笑)。
その後、日テレのインタビューで「この1秒を削り出せないのが小池莉希なので」と言った小池選手。さらにインタビュアーが聞いてもいないのに、「靴を見てほしいです」と創価大カラーのアディダスのシューズを見せたのも、ミズノがスポンサーの箱根駅伝では異例のこと。最後までらしさ全開でした。
6区の小池選手は
— 創価大学広報 (@soka_univ) January 3, 2026
創価大カラーの赤と青のシューズで
区間賞を獲得しました🟦🟥
TVでは奇しくも
小池文司さんとの小池リレー😳👏#創価大 #闘創心 #adidas#箱根駅伝 #こいけ行け行け https://t.co/lQPyoVfUhz pic.twitter.com/j2g7XmmpWL
約束通り3年生で結果を出した小池選手が今後、どのような活躍をするのか。記録だけではない、ワクワクさせてくれる選手なのです。




