「あれ、セカストになってる」。ついこの前まで別の店だったのに――。国道沿いで見かけるこの光景には、緻密な戦略があった。
リユース市場で急成長を遂げるセカンドストリートは、今やユニクロを超える国内店舗数を誇り、同業のトップシェアを走っている。その急拡大を支える戦略が「居抜き出店」だ。
他社が撤退した物件を次々と居抜きで獲得する。新築より安く、出店スピードも早い。しかし、そこには「意外な問題」もあるという。野地秩嘉氏によるビジネスノンフィクション『セカストの奇跡 逆襲のゲオ』(プレジデント社)より、セカンドストリートの経営戦略に迫る。
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セカンドストリートが「居抜き」を狙う理由
今井則幸よりも後にゲオに参加したのが前述の久保幸司だ。久保は元々セカンドストリートを運営していたフォー・ユーにいた。ゲオがフォー・ユーを子会社化したことで、所属することになったのである。久保はセカンドストリートの店舗開発を担当し、同社の社長も経験している。今はホールディングスの専務だ。
久保は「私はセカストの店舗開発をやっていました。セカストはゲオと立地が違います」と言った。
「セカストは一等立地でロードサイドがメインです。どこの町に行っても全国展開しているチェーンがありますよね。ユニクロさん、洋服の青山さんなどのような。そういうチェーンと並ぶ場所を選定してましたし、今もこれからもそうだと思います。
ゲオと同じ点は他社さんが撤退された物件に入っていく、いわゆる居抜きの店舗がメインです。居抜きは出店スピードが早いのと、新築にするよりはお金がかからない。居抜き物件を探すには全国チェーンを展開している会社の開発の担当者と仲良くすることがいちばんです。
そういう人のところへ訪ねていって、『最近どうですか。ところでそろそろ年度末ですけど来年度の出退店予算はもう決まっているのでしょうか?』と言ったとします。すると、『久保さんも商売熱心だね。じゃあ、お土産をあげるよ』と教えてもらえる。もちろん教えてもらえないところもあるんですけど、そこは人間関係ができているかどうか」
