ターン、エア、スピード、全てが世界最高レベルの完成度

 ――堀島選手のパフォーマンスの高さはどのような技術の裏付けがあるんでしょうか?
 
上村 モーグルはターン、エア、スピードの3要素の合計で決まりますが、堀島選手はそのどれもが世界最高レベルで完成度も高いんです。ちなみに採点の分配はターン60%、エア20%、スピード20%となります。
 
――堀島選手が見せる高難度の空中技、「コーク1440」(軸をずらした縦一回転に横4回転)は彼独自のものですか?
 
上村 いえ、キングスベリー選手やニック選手、韓国のチョン・デユン選手なども出来ますが、安定感で言うなら堀島選手が一番ですね。エア技も難易度によって色々ありますが、コーク1440はモーグルコースのエア台のサイズを考えると、物理的な究極点だと思います。

4回転は技術の最終形に近い

――上村さんも現役時代、コーク720という難しいエアを飛んでいましたが、堀島選手はその2倍回転しているということですか?

上村 簡単に言えばそうです。モーグルは規則上、縦回転は1回しかできないので、横回転を増やしていくこととグラブを入れることで難易度を上げていきます。コーク720やコーク720グラブは今や女子選手の主流の技で、男子選手はコーク1080やコーク1080グラブなどが主流です。

 堀島選手は第一エアでダブルフル(伸身縦1回転横2回捻り)、第二エアでコーク1440を取り入れていますが、今のコースレギュレーションでは4回転は技術の最終形に近いと思います。

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――エアが難しいと着地に失敗しませんか。
 
上村 問題はそこなんです。モーグルは、エアの着地後にもターンが続きます。着地に失敗すると、エアの完成度だけでなく次に行うターンにも影響が出てしまうことがあります。ターンは採点配分が60%と大事な要素となりますが、エアの着地で体がよれてそのままターンを続けたり、コブに入るために大きく減速したりするとターン点にも響きます。

 コーク1440を跳べる選手は何人かいますが、エア、着地の完成度とターンへの繋ぎを含めると堀島選手が飛び抜けていますね。
 
――じゃあ、金メダルは十分狙えますね。
 
上村 そうですね! 全ての選手にとって良いパフォーマンスを出せるようなコースであれば、かなり可能性は高いですね。……とは言えやはり4年に1度の五輪。思うようにいくとは限りません。ただ、堀島選手はこの1年間、五輪対策もしっかりしてきている印象です。

――どのような対策でしょうか?