冨髙日向子の安定感、初出場の有力選手も

――女子はどうでしょうか。冨髙日向子選手、柳本理乃選手、中尾春香選手、藤木日菜選手の4人が出場します。
 
上村 男女共に日本は選手層が本当に厚くなっているので、代表選考レースでは競争が激しいんです。その中から五輪代表を掴み取った4人なので、五輪でのパフォーマンスが楽しみです。

 安定感で言えば北京に出場経験のある冨髙選手が一歩出ていますね。国際大会では何度も入賞していますし、昨年の世界選手権大会では銀メダルを獲得しています。エアにしてもターンにしても、ミスの少ない完成度の高い技を持っています。上位選手達は五輪では一つギアを上げてメダルを狙ってくると思うので、冨髙選手はいつもの滑りをしつつもう少し積極的にスピードを出して攻める滑りをみせることができれば、十分メダル争いに絡んでくるはずです。

 北京五輪の代表選考レースで悔しい思いをした柳本選手は、昨年のW杯デュアルモーグルで総合3位を獲得するなど、この4年で大きく成長を続けた選手です。中尾選手、藤木選手も年々力をつけてきているので、大きなエアとアグレッシブなターンで勝ち上がっていって欲しいです。それぞれ、自身初めてとなる五輪の舞台になるので、素晴らしいパフォーマンスを見せて欲しいですね!

1月26日、合宿先の札幌市内で会見したモーグル日本代表選手たち。(上段左から)藤木日菜、柳本理乃、中尾春香、冨髙日向子、(下段左から)西沢岳人、島川拓也、藤木豪心。堀島行真は海外からオンラインで取材に応じた ©時事通信社

――今大会からデュアルが正式競技になったのは、日本にとってはプラスなんですね。
 
上村 そうですね。いっぽうで、もちろん日本だけでなく、どの選手にとってもメダルのチャンスが増えたことになります。ただ、日本人選手男女計8人が出場し、競技も2種目になったことで、選手のパフォーマンスを多く目にすることが出来る。私はすごく楽しみにしています。
 
 そういえば、藤木日菜選手は男子・藤木豪心選手の妹さんです。きょうだいで出場するのはそれぞれ支えになるでしょうし、お互いの活躍やパフォーマンスが大きなモチベーションになるでしょうね。2人揃っていい笑顔を見せてほしいです!

五輪で自分のレベルを上げてほしい

――選手たちに伝えたいことはありますか?

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上村 初出場の選手は男女6人ですが、五輪の雰囲気というものをしっかり体感して欲しいですね。一度五輪を体験すると、自分のレベルが何段階も上がるはずです。その先にメダルというものが見えてくるので、この五輪を機に、自分の限界やレベルをどんどん上げていってほしいです。
 
 もしかすると「もうここで満足」という人もいるかもしれないけど、今大会を通して「4年後の自分」を想像できたら、絶対に挑戦してほしいなと思いますね。

 この記事の続きでは、5大会連続で五輪出場を果たした上村愛子さんの20年について伺いました。多くの人の記憶に残るバンクーバー五輪(2010年)での「なんでこんな一段一段なんだろう」という言葉に込められた思いとは。

撮影=深野未季/文藝春秋

次の記事に続く 「なんで一段一段なんだろう」バンクーバー五輪で4位、採点基準に疑問の声も…モーグル・上村愛子(46)が明かす当時の心境「もちろんメダルが欲しかったから…」

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