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人生のいろいろな可能性が奪われてしまった
――映画『どうすればよかったか?』は、成り立ちが複雑です。もともとは藤野さんがホームビデオの撮影だといって、家族を撮ることから始まります。しかしそれには目的があった。
藤野 そうですね。最初は、記録を残さないと姉がどんな状況だったかが分からなくなってしまうと思い、2001年にビデオを撮り始めました。当時、私は就職を機に札幌を離れて関東地方に住んでいたので、実家に帰れるのは盆休みと年末年始くらいですが、そのたびに姉や両親の撮影をしました。
ある程度、撮影したものがたまってくると、姉を医療につなげるのに使えるのではないかと考えるようになりました。精神科医にそれを見せて、「両親は姉が統合失調症であることを否定しているけども、こういう症状が起きている」と説明に使えるのではないかと思ったのです。
――実際、お姉さんを精神科に連れていくのは、両親ではなく、藤野さんでした。
藤野 はい。両親を説得して、ようやく姉を精神科医に見てもらうことができました。3ヶ月で退院して家に戻ってきた姉は、薬のおかげで症状はある程度よくなっていました。とはいえ、普通に外で働いて、一人で暮らしていける状態になったわけではありませんが……。
それにしても、あまりに遅すぎた。その時、姉は50歳になるかならないかくらいの年齢でした。人生のいろいろな可能性が奪われてしまったと思いました。

