「自分でもびっくりでしたけど…」初日から女性と連絡先を交換できたワケ

 しかし、天性の才能なのか、あるいは闇深い世界に通じる見えない道が、佐伯を招き寄せるかのようにぽっかりと口を開いていたのか……。1時間ほどで10人ほどに声をかけたあと、ある20代のOL風の女性が、佐伯の声に足を止めた。そして、5分間ほどであったが話を聞いてくれた。最後に、LINEで連絡先を交換する。

 佐伯は、スカウトとして稼働しはじめた初日から、女性と連絡先を交換することができてしまったのであった。

「自分でもびっくりでしたけど……。自分の場合は見た目もあんまりスカウトっぽくないし、そのあたりがよかったのかもしれませんね。まあ、ほんと運もよかったのだと思います」

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 歌舞伎町は、スカウトやキャッチの多さは日本一だろう。新宿駅から繁華街に向かう途中には通称「スカウト通り」という通りもあるし、当然ライバルも多い。

 初心者は数日間街角に立ちつづけても、一人も女性を捕まえられないこともあるという。その意味では、佐伯がその後数年間にわたってナチュラルという組織に所属することは、このときから運命付けられていたのかもしれない。

 佐伯が声をかけた女性は、その後しばらくすると、ある有名な風俗店で働くことになった。佐伯が店を紹介したことで、彼女の稼ぎのうちのおよそ15%がナチュラルに入ることになる。現場のスカウトには、そこから報酬が支払われる仕組みだ。

写真はイメージ ©momo.photo/イメージマート

始めてから4ヵ月くらいで、月100万円くらい稼げるように

 最初に歌舞伎町で声をかけてから1ヵ月あまり経ったある月末、佐伯ははじめての給料を手渡しで受け取った。金額は10万円近く。一人暮らしの大学生にしては、大きな額だった。

「なんだか拍子抜けするくらい最初から簡単にいってしまったので、自分でも驚きましたね。大学生のバイトだと時給もよくて1500円くらいですけど、それが一人女の子を捕まえるだけで、毎月毎月その子の稼ぎの何%かが入ってくる仕組みなので、おいしい仕事だなと思ってしまいましたね。

 そこからしばらくは歌舞伎町に立って声をかけていましたけど、僕は外で声をかけるのが正直苦手だったこともあって、すぐにSNSとか人の紹介で女の子を集めるようになりました。始めてから4ヵ月くらいで、月に100万円くらい稼げるようになっていたと思います。スカウトといっても、僕の場合は路上に立っていたのは正味最初の1ヵ月くらいですけど」