乗客から「トイレに行きたい」と言われたら……どう対応する?
ちなみにトップガンコンテストは今回が2回目。2025年1月開催の第1回トップガンコンテストでは、乗客がスマホからダイレクトメールで運行会社を経由し運転手に要望を届ける「おたすけDM」という機能を使った乗客対応のシミュレーションが行われた。
例えば、WILLERはあえてトイレを設置していない車両が多く、高速バスの運転中に「トイレに行きたい」という要望を受け取ったら、どうすべきか。次の休憩場所までは遠い中、出場者が取った対応は「進行方向のフロントガラスが虫によって汚れたので、次のSAに停まります」というものだった。
何も言わずに休憩場所を変えると、トイレに行きたい乗客が何十人もの乗客の中で目立ち、恥ずかしい思いをしてしまう。あくまでアクシデントであるという理由をつけて、停車するわけだ。停車後も、実際に汚れていなくてもガラス清掃を行うそうで、のちにこの対応を参考にしたバス会社も多かったという。
「このブザー音は何?」審査員も悩むほどの“超難問”が続々と
2回目となる今回のテーマは「座学問題」と「イレギュラー対応(事故対応)」だった。
座学では、最初こそ“サービス問題”が続いてファイナリストを安心させたところで、徐々に難易度が上がっていく。
全30問の問題は、審査員席にいたバスのプロ集団の方々ですら「分からないよ普通!」と一斉に苦笑するほどの難問だった。例えば、「『(QTC-)MS96VP(三菱ふそう「エアロエース」2016年型)』の温水ストップバルブは、どれ?」といった問題。
温水ストップバルブは、エンジンで温められた冷却水(温水)を車内の暖房ユニット(ヒーターコア)へ循環させるか、止めるかといった制御を行う設備だ。日々の点検には入っていないものの、夏場に空調が効かなくなったときは操作して、ヒーターから来る熱を止めて、冷風が出るように応急処置ができる。
そのためには、バスの型式ごとに違う温水ストップバルブの形状を熟知し、有事の操作方法を理解する必要があるというわけだが、実際にはそんな事態に見舞われることは稀。それでも、ハイウェイパイロットのトップを目指すために、ここまで熟知する必要があるのだ。
他にも「MS96VPのホイールベース(前輪の中心・後輪の中心の間隔)の長さは何ミリメートル?」 「このブザー音は何?」など、ファイナリストだけでなく審査員をも悩ませるほどの超難問が続いた。
ホイールベースの距離感を知っておけば狭い場所での接触防止に繋がる。また、音が似ている火災警報ブザーとバックブザーを聞き分けることで、エンジンルーム内の初期消火にいち早く動ける。こういった知識に即答できるほどにバスを理解していないと、トップガンコンテストを勝ち抜くことはできないのだ。

