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「ディズニーに行きたい」高速道路にタクシーを呼ぼうとする“トンデモ客”も
ガードレール外への避難後にも、評価を分けるポイントがいくつもあった。事故車両の動画撮影に夢中になって路上に飛び出す乗客を止めたり、車内に残してきた大事な推し活グッズを取り出すために、火災発生の可能性があるバスに戻ってトランクルームを開けようとする人を呼び留めたり。現場の危機管理を行う立場として、危険が伴う行動を制止するのも、運転を担う側の役目なのである。
その中で目立ったのが山本さん。「いまからディズニーリゾートに行きたい」とゴネて高速道路上にタクシーを呼ぼうとする乗客を止めつつ、高圧的な態度のレスキュー隊と連携した上で、怪我と体調不良で起き上がれない乗客を引き渡していた。
特定の客に振り回されず、安全な避難を優先する行動を一貫して行っており、最終的にトップガンに選ばれたのも、山本さんだった。
山本さんが所属する東京営業所は「頑張れ山本!」といったポスターを貼り出してまで応援してくれていたという。山本さんは「結果が出なかったら裏口からコソコソ帰ろうと思っていたが、これで正面玄関から帰れる」と、心からホッとした表情を見せていた。決勝の翌日には新幹線で東京に帰還し、翌々日にはもう通常業務に戻るそうだ。
