コンテストに出ることが、運転手のキャリアアップにつながる

 運転技能の向上をはかるコンテストは、東京バス協会・東急バス・両備グループ(両備バス・岡電バス等)などでも開催されている。しかし、サービスや非常時の事故対応にまで踏み込むものは、数少ない。そんな中、非常にこだわった実技試験まで課すトップガンコンテストを開催する理由について、WILLER EXPRESSの平山幸司社長は「バス会社の技術を競うだけでなく、当社が目指すサービス・接客を大切にするため」と話す。

平山社長(筆者撮影)

 コンテストで得られた「ナイス判断」「神解答」をグループで共有すれば、大きな財産になる。参加者のモチベーションが「栄誉のため」「賞金100万円のため」であっても、淡々と事例を聴くだけで眠くなってしまう勉強会より、よほど効果があるはずだ。

 平山社長によると「コンテストで優秀な成績を収めることが、さまざまなキャリアプランを描くきっかけにもなる」という。一般的なドライバーに該当するハイウェイパイロットだけでなく、運転技術が重要視される「レストランバス」と呼ばれる車両の運転手や、教育を担うポジションなど、キャリアチェンジにおいてトップガンコンテストでの成績は役に立つ。実際、第1回に優勝した方はメディア出演の機会が増えているといい「バスの運転」だけでない人生の選択肢が開けるのだ。

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WILLERは、ユニークなコンテストだけでなく運転手の待遇改善にも積極的だ(画像提供:WILLER EXPRESS)

 全国的にバスのドライバー不足は深刻化するばかりで、WILLERのように「今後3年間で、段階的に平均年収600万円まで引き上げ」を謳うような「待遇改善」がないと、コンテストによるスキルアップを促してもドライバーがついてこないだろう。

 今回審査に参加したバス会社の中には、「こういったコンテストを、自社のグループでも開催したい」と打ち明ける人もいた。運転技能だけでなく、ふだんバスを利用しているだけでは見えない接客やサービス、非常時の対応まで、ノウハウとスキルを共有するコンテスト開催の試みが全国に広がるとともに、運転手の給与面・職場環境の待遇向上も期待したい。

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