日本経済の中心地、東京・丸の内から“マル秘”財界情報をくわしくお伝えする『文藝春秋』の名物コラム「丸の内コンフィデンシャル」。最新号からダイジェストで紹介します。

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「了解を得てやった」「独断だ」責任の所在めぐり大荒れ

 浜岡原発のデータ改竄問題を巡り、中部電力(林欣吾社長)社内が泥仕合の様相を呈している。

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 1月5日、同社は浜岡原発の再稼働を巡り、原子力規制委員会の審査に提出したデータを不正に操作した疑いがあると発表した。

中部電力の林欣吾社長は電気事業連合会の会長を引責辞任 ©時事通信社

「改竄したのは原発施設の耐震設計をする際の最重要データである『基準地震動』。南海トラフ地震で想定しうる最大の揺れを過小評価した」(中部電関係者)

 中部電はこれまで、防波壁の工事やプラントの修繕費を含む浜岡原発の維持費に1兆円超を投じてきた。建設する防波壁の高さは従来の18メートルから、2024年11月には28メートルにかさ上げしたが、そのウラで基準地震動を恣意的に操作していたのだ。「耐震設計をさらに厳重にし、防波壁などを高くすれば、維持費は2兆3000億円に膨らむとする試算もあった。過小評価した背景には、コスト面が影響したことが疑われる」(同前)。

 安全規制に対する暴挙に、原子力規制委員会の山中伸介委員長は「審査データの捏造で、明らかな不正行為」と断罪。中部電の会見翌日には、木原稔官房長官も「国民の信頼を揺るがしかねない」と批判した。

 再稼働審査は白紙となり、本店への立ち入り検査も受けた中部電。社内は責任の所在を巡って大荒れだ。防波壁建設の実務を担った原子力土建部は、「(上部組織の)原子力本部の了解を得てやった」と主張するが、対する原子力本部は「土建部の独断だ」と譲らないという。

 結果、「経営陣もぎくしゃくしている」(別の関係者)。今回の一件で、林社長は電気事業連合会の会長を引責辞任したが、中部電の社長就任は2020年4月で、不正データを規制委に提出したのは就任前の2019年だ。社内では「当時の社長だった勝野哲会長の責任は重い」との声も上がる。

この続きでは、中部電力の内情について関係者がコメントしています。約5300字の全文は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と「文藝春秋」2026年3月号に掲載されています(丸の内コンフィデンシャル)。全文では下記の内容もご覧いただけます。

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出典元

文藝春秋

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