ロボットによる戦闘は「卑怯」なのか
第1空挺団は、パレンバン奇襲作戦を成功させた帝国陸軍落下傘部隊「第1挺進団」の末裔を自認し、それを称える「空の神兵」を団歌と仰ぐ。日頃からの訓練は肉体的にも、精神的にも過酷を極め、ここ習志野で行われる「空挺レンジャー教育課程」は自衛隊で最も過酷な教育訓練として知られている。
その第1空挺団までもがドローンやロボットに頼るようになったと嘆く御仁がおられるかもしれん。しかし、いくらドローンやロボット同士が戦う世になっても、それを操る人間を排除しなければ、戦は終わらない。
自らは安全な地に身を置きながらロボットやドローンを前線で戦わせることが「卑怯」だと誹りを受けようが、味方の損害を最小限にとどめながら、敵に最大限の損害を与える作戦を立案し、それを実行するのが軍人の務めであろう。
政治家こそが自衛隊を指揮する
今の日本国憲法では自衛隊員は軍人とは認められていないが、そんな自衛隊員の最高指揮官となるのが、正当な方法で、つまり公正な選挙で選ばれた政治家なのである。
現在、AI(人工知能)が写真家や作家いや、多くの人間が営む仕事を奪いつつあるように、将来、軍隊、軍人までもがAIに差配される時代がすぐそこまで来ているかもしれない。政治家くらいは我ら国民、人間の意志で選びたいものである。
訓練展示ののち、今回参加14カ国の外国軍空挺部隊指揮官に対し、第1空挺団長石原由尊陸将補から名誉ある空挺徽章が授与される式典も実施された。
中国に対する日欧の距離感、グリーンランド領有をめぐる米とEU諸国の対立。そんな世界情勢など全く存在しないかのように、この日の訓練で15カ国の同盟国、同志国の連携の強化は図られた。
しかし、多国間空挺降下訓練は「降下始め」で終わるわけではない。より多くの国との共同訓練を通じ、その連携・連帯を強化させたうえ、自国の訓練も継続することが必要である。作戦内容をより進化させ、隊員の練度を維持し、それを誇示しなければ、敵の侵略の企図を挫けさせることはできない。
かくして所と時を変え、極寒の宮城県王城寺原演習場。次なる多国間降下訓練の現場へと飛び込むのであった。
撮影=宮嶋茂樹
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