着地すれば終わりではない“命がけ”の現場

 そのうえ、地表に着地して訓練は終わり……ではない。降り立った地が敵地なら即銃撃戦である。実際、空砲であろうが、現場では銃声があちこちから聞こえてきた。

 まずは用済みとなった落下傘の回収である。実戦では小さく畳み、敵に発見されないよう隠さねばならぬ。作戦期間によっては武器や弾薬、食糧、水までいれれば40キロ、これに落下傘まで入れたら60キロ以上に及ぶ。その荷を背負って、さらに戦闘しなければいけないのである。

 

 地上展開した第1空挺団員は、最精鋭部隊らしく最新式の20式小銃を構えているものがほとんどだが、そのうちの少なからずが着剣したままである。これは旧軍以来の銃剣突撃を前提している……というわけではなく、いつ敵に遭遇してもおかしくない敵地で急な近接戦闘に備えてであろう。

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 さらに、空挺団指揮官の手には小銃でも拳銃でもなく、見慣れぬ機関拳銃(サブマシンガン)が握られており目を引いた。

北朝鮮や中国のパレード要員とは違う

 音もなく突如、目の前に現れる空挺団員に驚き、これが訓練で本当に良かったと胸をなでおろす。

 不肖・宮嶋のカメラに気づいても、ピースサインをかますおちゃらけたものはいない。北朝鮮や中国のパレード要員のように自らを「強い」と声高に訴えるものも皆無である。本当の精強な部隊は、本来静かに見えぬよう動く。そして任務終了後もその形跡を残すこともなく消え去るものである。

 

 そもそも本当の秘密兵器や精鋭部隊は、その能力、装備や訓練の一端を見せるだけで充分、敵侵攻の抑止力となりえる。

 さらに、このような同盟、同志国との共同訓練を通じ、その軍事的連携、信頼関係を強化させることにより、「我が国を取り巻く厳しい安全保障環境」への不安が少しでも軽減すればなお良しではないか。

撮影=宮嶋茂樹

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