「100億くらいあるなって」「悪魔が乗り移ったみたいな気持ち」

 出社して経理の仕事をして、今年の利益は10万くらいでいいか、100万くらいにしておこうかって。まあ粉飾じゃないですか。

 何年もその繰り返しで、自分の中で100億くらいあるなって。誰も気付いてないだろうなって。これ自分の金じゃねえのって思い始めた。悪魔が乗り移ったみたいな気持ちだよね。反復する日常が嫌になって少し変わった人生を送りたいなって。

 公社への怨念というか、反感もあったしね。部長も専務も理事長も全部天下り。プロパーの職員は上にあげないから、60歳まで働いて課長になれるかなれないか。

ADVERTISEMENT

 それなのに、理事会とかでは、プロパーの俺が説明するわけですよ。まあ、理事っていっても各市の助役さんで、公社の決算なんてまるっきりわからないわけですよ。くどい説明いらないからってくぎ刺されてね。理事会は30分で終わりますから。

 でも、管理職でもないプロパーの職員に、そこまで責任持たせるなよって話だよね。議会やら理事会で説明させてね。そんな企業ってありますか。理事会って言ったら、企業の株主総会と同じですからね。

 そんなこんなでバカらしくなって、隠していた金をちょこちょこと引っ張っていくようになった。変な理屈だよね。馬鹿だよね。俺自身、あの時は狂っていた。

最初から記事を読む 「いま振り返ると、それが運の尽き」14億円を横領した『アニータの夫』(68)が振り返る“アニータと出会った日”の記憶

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。