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「銀行もどうにでもなった」現金はレジ袋に入れて……
銀行もどうにでもなった。公社は普段から銀行のお得意さまだから、俺は顔役みたいな存在。銀行で会計について講習したこともあったしね。「今日は千田先生に来てもらいました」なんて紹介されて。
銀行から引き出した現金は袋に入れ、公社のロッカーに置いておいて、帰りに家に持って帰る。おろしてすぐに違う銀行に行ってチリに送金したこともあった。
海外に送金できるのは銀行の本店だけだから、札束入れた袋を自転車に載せて行った。
公社の裏に自転車置き場があって、そこから自転車に乗って銀行まで行ったんです。現金をかごにいれて。現金をいれるのは紙袋じゃなくてレジ袋。雨降ると、紙袋も札束もどろどろになるからレジ袋が一番いいんです。そこに現金入れて。
――千田はアニータに出会う前から横領に手を染めていた。最初は154万。夜の街での遊興などでかさんだ借金の返済のためだった。遊興に走った理由について、千田は公判で「サラリーマン生活の中で、ロマンや冒険の感情があった。平凡に暮らすのは刺激がないと思った」と述べた。
平凡な繰り返しの毎日で退屈だった。人なら誰でもあると思うんです。のんべんだらりと生きてきて、ちょっとやってみようかって。それが人生をつぶすことになるなんて、その時にはわからないから。
