ここ数年、牛丼チェーンを展開する会社がラーメンに熱視線を送っている。

「吉野家」の吉野家ホールディングス(HD)では、2016年のせたが屋買収をきっかけに次々とM&Aを重ね、2025年には吉野家として初の麺類メニューを出して話題を呼んだ。また松屋フーズHDは、2025年12月に「六厘舎」の松富士食品の買収を発表している。

 両者ともに牛丼への依存度が高く、次なる売り上げの柱を狙ってのシフトだと思われるが、数ある食べ物の中でもなぜ「ラーメン」を選んだのか。

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松屋グループの仲間入りを果たした「六厘舎」。創業者の三田遼斉氏はもともと松屋で働いていた(三田氏のXより)

牛丼各社がラーメンに注目する理由とは?

 なぜラーメンなのか、というと、ざっくり近年の市場規模が拡大傾向にあるから、ということが大きな理由だろう。その他「(1)寡占度が低く多様な中堅中小、個人店が存在していること」、「(2)インバウンド客からのラーメン人気が高いこと」、「(3)海外進出の期待値が高いこと」、といったポイントが挙げられる。

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 (1)は多様な「新業態の苗木」が豊富に存在する、ということであり、チェーン化まで至っているのであれば、今後、支援育成の余地がある。(2)は、ラーメンがもはやインバウンドにとって日本を訪れる理由の一つにもなっており、国内での需要が今後も拡大する余地が大きいとみられる。(3)は(2)とも密接な関係にあるが、帰国したインバウンド客から拡散して、海外でラーメンの需要がさらに拡大する可能性が非常に高い。

 ただ、このような期待は牛丼業界に限った話でもなく、外食業界全般でラーメン事業への関心が高まっており、ラーメンをM&Aで傘下に入れる事例が散見される。