「丸亀製麺」「ココイチ」もラーメン買収に注力

「丸亀製麺」のトリドールHDは「ずんどう屋」を傘下に入れ、その売り上げが110億円まで拡大。今期は122億円まで成長させる目標を立てている。

「カレーハウスCoCo壱番屋」を手掛ける壱番屋も、「極濃豚骨 らーめん小僧」を展開するKOZOUを2024年末に買収したほか、ラーメン業態に投資している。クリエイト・レストランツHDでは、つけ麺の有名店「狼煙」を手掛ける同名企業を買収、その他にも「えびそば一幻」「つけめんTETSU」といった有名ブランドを傘下に収めて育成の最中だ。

 そもそも上位ラーメンチェーンによるM&Aも活発であり「一風堂」を展開する力の源HD(2025年3月期の売り上げは341億円)、魁力屋(2024年12月期の売り上げが122億円)は中小チェーンを、「町田商店」のギフトHD(2025年10月期の売り上げは358億円)では尖った個人店の買収などを行っている。参入障壁が低く、多産多死で寡占度の低いラーメン業態においては、M&Aは日常茶飯事だということでもあるのだろう。

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 このように、M&Aの弾も潤沢なラーメン業界ではあるが、第2、第3の事業の柱を育てたい思惑のある牛丼プレイヤーには、実は向いていないのでは――といった懸念もある。

牛丼とラーメンは、相性が悪い?

 それは、ラーメンは単一ブランドとして最大数百億円規模にしかならない、ということである。次の図表を見てみよう。これは、ラーメン事業を展開する企業を事業規模の大きい順に並べたものだ。

各社IR資料などを基に筆者作成(単位:億円)

 ラーメンもあるが、中華メニューも多い「餃子の王将」や「日高屋」といったチェーンは除いているのだが、「一蘭」「町田商店」「一風堂」など、有名銘柄を運営する企業が上位に並んでいる。ただ、大きくても300億~400億円台、その下に100億~200億円台が多数といった感じで、最大クラスのブランドでも500億円にならないのである。

 地域ごとの味や、個人店の工夫などなど、つまりは「多様性」が魅力のラーメン業界において、本来的にファンはチェーン化(≒セントラルキッチン化)を求めていないのであろう(筆者も個人店を愛好していて、チェーンのラーメン店はかなり限定的な銘柄しか利用しない)。