形ではなく、「テーマ」が大事
――2016年に第1作が放送されてからちょうど10年、三屋清左衛門を長らく演じてこられました。
北大路 清左衛門は「こんな人いるかな?」と思うくらい、素敵ですよね。清左衛門に憧れているのか、藤沢先生に憧れているのか、その作品世界に憧れているのか――いろいろなものが含まれていると思います。また、ひと様に迷惑をかけないように静かに老後を送りたい、という自分自身の希望も、そこに絡み合っています。
自分の実人生のなかだけの経験、というのは限られています。ですので、その人物像を通して、その役を演じながら、感じ取っていくことが大事なのだと思います。そのためには、感じ取れる容量を、自分自身が常に持っていなければならない――そこが自分の役目なのかな、という気がしますね。
――1956年に映画「父子鷹(おやこだか)」でデビューされ、今年で芸能生活70年という記念すべき年を迎えられます。北大路さんにとって時代劇とは何か、改めて教えていただけますでしょうか。
北大路 小さいころ、近所のおじさんに映画館に連れていってもらって、様々な時代劇を観ました。満員でスクリーンが見えないと、おじさんが肩車をしてくれました。父(市川右太衛門)の映画だけでなく、「丹下左膳」や「鞍馬天狗」などたくさん観ました。そのときのお客さんの熱気、歓声はすごかったです。
また、アメリカの西部劇にも夢中になりましたね。子どもの時は、おもちゃのピストルと刀を両腰に差して、遊んでいました。
お芝居の長い歴史を考えると、私のなかでは時代劇、現代劇、〇〇劇という区別はないんです。今生きている人間が、今を演じている。
形ではなく、「テーマ」が重要だと思います。昨年から話題になっている映画「国宝」にしても、何百年も続いている歌舞伎に挑戦する人間の喜怒哀楽、時代の流れ、そういうものに我々は感動しているのだと思います。
これからも「三屋清左衛門残日録」シリーズを、ぜひ見守って応援してほしいです。
「三屋清左衛門残日録 永遠(とわ)の絆」
時代劇専門チャンネルにて、2026年3月7日(土) よる7時ほか放送
北大路欣也
優香 松田悟志 小林綾子 佐藤流司 山谷花純
上川隆也/佐野史郎 池田鉄洋/藤岡弘、
金田明夫 麻生祐未 伊東四朗
