一方、日本銀行の25年10月の「全国企業短期経済観測調査」(短観)を見ると、人手が過剰と答えた企業から不足と答えた割合を引いた「雇用人員判断指数」は全産業がマイナス36、非製造業はマイナス39と、ここでも大幅な人手不足が明らかとなっています。
こうした傾向は短期的なものではなく、生産年齢人口の減少の終わりが見えない以上、将来にわたり深刻な状況をもたらすと考えられます。
もちろん政府も、人口減少に対して正面から向き合おうとしています。2023年から「異次元の少子化対策」を打ち出しています。24年度からの3年間で集中的に取り組む「加速化プラン」を策定し、児童手当の所得制限撤廃や「こども誰でも通園制度」の創設に取り組んでいます。24年度は児童手当の拡充や大学授業料の減免に1.3兆円を投じ、25年度は3.0兆円の予算で育児休業給付の拡充や保育士の処遇改善を進める計画です。
しかし、人口の多い団塊ジュニア世代(1971~74年生まれ)はすでに50歳代に入り、そもそも子どもを産む世代の人数自体が減少しているのです。さらにその下の世代は若くなるほど人口は減っています。若い世代ほど人口が少ない以上、子どもの数が現在よりも増え続けることはあり得ません。すでにどのような人口対策を打っても人口減少を止められないことは決まっているのです。
外国人依存度
では現在、外国人労働者は各産業分野でどの程度、浸透しているのでしょうか。
下の図表は日本の産業分野での「外国人依存度」を表しています。この表を作成した加藤真氏は各産業分野で働く外国人数の割合を「外国人依存度」と表現しています。
これを見ると2014年から24年の間に急速に外国人労働者があらゆる産業で増えていることが分かります。農業、林業では2014年に外国人の労働者は119人に1人であったのが、2024年には31人に1人と急増しています。最も著しい増加は建設業です。建設業では246人に1人だったのが27人に1人にまでなり、10倍近い増加となっています。宿泊業、飲食サービス業では24年には15人に1人にまでなっています。
全体として2014年から2024年の間に約2.8倍に増え、外国人の労働者の割合は81人に1人から29人に1人にまで急増しています。産業分野による外国人依存度に差はあるものの、共通しているのは増え方が急激なことです。これが30年間の変化であれば納得感がありますが、10年間での変化と聞けばその急増ぶりに驚かざるを得ません。
人口減少が継続する以上、将来にわたって同様にあるいは一層、外国人依存度が高まることが予想されます。もし外国人が増えなければ、あらゆる産業で人手不足がさらに厳しくなり、マヒ状態が起こり得るということでしょう。
