海外からの“人口流入”が加速している。移民政策や多文化共生を専門とする関西国際大学客員教授の毛受敏浩氏は「日本の人口減少が急激に進む中で、外国人の増加は必要不可欠なこと」と指摘する。

 しかし昨年10月の自民党の総裁選挙では、5人の候補者が全員、移民について後ろ向きの発言に終始した。外国人に対する抵抗感は強まり続けている。差し迫った状況の中で、ジレンマが続いているのだ。

 ここでは、毛受氏の『移民1000万人時代 2040年の日本の姿』(朝日新書)より一部を抜粋してお届けする。毛受氏が、参政党が掲げる“日本人ファースト”を「許容すべきでない」と考える理由とは……。(全4回の4回目/最初から読む)

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参政党の「日本人ファースト」

 政府が移民について煮え切らない態度を続ける中で、その矛盾をついたのが参政党の「日本人ファースト」と言えるでしょう。

 2025年7月の参議院選挙で、参政党は1議席から14議席獲得へと大躍進を遂げました。躍進の原動力となったのが、党の選挙でのスローガンである「日本人ファースト」です。

 筆者は2025年8月、月刊誌『文藝春秋』の企画で参政党幹事長の安藤裕参議院議員との座談会に出席し議論を行いました。改めて感じたのは、参政党の躍進は、長期の低迷が続いた「失われた30年」とそれに伴う若者の賃金の停滞による未婚化、少子化現象が根底にあり、そのことが既存政党への不信を招き、参政党への支持につながったということです。

 さらに外国人に関して、一部の中国人による土地買い占めやインバウンドによるマナー違反、迷惑行為などの問題に加え、急増する外国人に対して政府が説明責任を果たしていないことが、「日本人ファースト」が人びとに受入れられた理由として挙げられています。政府は「移民政策をとらない」と言うものの、各地で在住する外国人は増え続けている。企業が自己の都合で地域住民に十分な説明をしないまま受入れが開始され、増加した外国人労働者は日本語も不自由で、地元住民と満足にコミュニケーションをとれないままです。