移民問題から逃げるな

「日本人ファースト」を掲げる参政党の登場は、政府の政策の欠如を鋭く突くものでした。

 政府は日本独自の解釈に基づく「移民政策をとらない」との方針を撤回し、移民問題に正面から向き合う必要があります。在留外国人が増加しながらいつまでも移民政策はとらない、という矛盾を放置してよいはずがありません。現状では反移民政党に攻撃材料を提供するだけです。

写真はイメージ ©Nobuyuki_Yoshikawa/イメージマート

 また、日本の移民をめぐる複雑な実情を知らない海外の人びとから、日本は移民を受入れない国、排他的な国と見られてしまいます。2024年5月の米国のバイデン大統領の「日本やインドは外国人が嫌いで移民を受入れない」という発言はまさにその例です。また国内でも、外国人は定住しない人びと、そのうち帰るべき人たちと、誤った考えを一般の人びとは持ち続けてしまうかもしれません。

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 日本に定住する外国人は増え続けており、また人口減少の中でその増加に政府はストップを掛けることはできず、実態としては定住化への道を進めています。そうした中で、移民政策をとらなければ結果として「ネガティブ移民」が増えてしまうのです。

政府の「秩序ある共生社会」とは

 参政党による外国人優遇等の指摘などを受けて、2025年6月6日、自民党は「外国人との秩序ある共生社会実現に関する特命委員会」を立ち上げ、「ルールを守る外国人は受け入れ、守らない外国人には厳格に対応」という方針を掲げた提言を行いました。

 この提言を受けて石破茂政権では、同年7月15日には内閣官房に「外国人との秩序ある共生社会推進室」が正式に設置され、外国人政策の司令塔としての運用が開始されました。この「秩序ある共生社会」には、ルール遵守の明確化、外国人に対する制度・施策の点検と見直し、情報基盤の整備と自治体連携などが含まれます。

 ルール遵守では、不法滞在、制度悪用、迷惑行為などに対しては厳格な対応を取る方針が示されます。また出入国在留管理の適正化、社会保険料の未納防止、外国人による土地取得の規制強化、外国免許の日本免許への切替制度の厳格化、「経営・管理ビザ」の審査強化など、既存制度の運用実態を精査し、必要に応じて改正・強化する方針が示され、着手されていきます。