海外からの“人口流入”が加速している。日本に住む外国人は2025年6月末の時点で、すでに395万人を超えた。移民政策や多文化共生を専門とする関西国際大学客員教授の毛受敏浩氏は「最大の原因は日本人の人口減少である」と指摘する。

 ここでは毛受氏の『移民1000万人時代 2040年の日本の姿』(朝日新書)より一部を抜粋して、働く世代が減り続ける日本の深刻な状況についての解説をお届けする。(全4回の2回目/続きを読む)

写真はイメージ ©AFLO

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11年で働く世代が1000万人減

 外国人が増え続けているのは日本の人口減少が深刻な状態にあり、その解決のために外国人の必要性がますます高まっているからです。

 日本の総人口の減少は企業に大きな影響を与えます。1つは働き手不足であり、2つ目は国内の消費者の減少です。とりわけ深刻なのは働き手不足です。

 働く世代の中心である15歳から64歳までの生産年齢人口は1995年をピークとして、すでに30年以上減り続けているのです。生産年齢人口は2014年から2024年の間に400万人以上も減少しています。

 しかし、それはまだ序の口と言えるでしょう。以下の図表は将来の生産年齢人口の減少数です。これを見れば、生産年齢人口は今後さらに減少幅が大きくなり、2030年代にはなんと10年間で800万人を超える減少が起こると社人研は推定しています。恐ろしい変化と言わざるを得ません。

生産年齢人口の減少

 生産年齢人口の減少は、高齢社会をさらに加速させることになります。高齢者ばかりの地域社会は自然災害に極めて脆弱です。地震、津波、洪水などの際に高齢者しかいない地域で高齢者同士が助け合うには限界があります。自衛隊や他地域からの支援の到着を待っている間に失われる命も増えるでしょう。地域にはいざというときに力仕事ができる若者が必要です。

 また近年、詐欺事件が増えています。これは詐欺に騙されやすい高齢者、それも一人暮らし高齢者の増加が関係しているとも考えられます。高齢でも働く人が多いとはいえ、高齢者ばかりの社会では安心・安全を維持することは次第に困難になっていくでしょう。