「当初、社内の一部では固さで評判になることに抵抗感があったのですが、徐々に外部とコラボの話があれば、それに乗って盛り上がりを楽しもうという流れに変わっていきました」(嶋田)

「固すぎるアイス」だから実現したコラボ

あずきバーの固さを売りに取り組んだコラボは数々あるが、注目された一つが、2024年にBANDAI SPIRITSとラボした「超合金 あずきバーロボ」だ。

あずきバーを細部まで3Dスキャンして、約1/1のサイズでフォルム・質感を再現した商品は、1万3750円(税込)の高価格だが、予約完売したほどの人気だったという。

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2017年には、刃物鍛冶で有名な岐阜県関市とコラボして、あずきバーを日本刀の形に落とし込んで制作した、全長約87センチの「日本刀アイス」も話題になった。

「20代の購買層はまだ薄いですが、コラボや『7月1日は井村屋あずきバーの日』に合わせた無料サンプル配布イベント、SNSなどで発信を続けながら、今後、さらに若者層を獲得していければと思います」(嶋田)

「甘い豆」に慣れていないアメリカにも攻勢

新たな購買層獲得に向けて、国内だけでなく海外にも目を向けている。

2000年の中国での現地法人立ち上げを皮切りに、海外進出に着手。2009年、アメリカ・カリフォルニア州に拠点を置き、全米各地に向け「あずきバー」の売り込みを開始した。味も食感も日本で販売している商品とまったく同じだ。

小豆を甘く煮てお菓子として食べる習慣のないアメリカでは、あえて小豆を前面に打ち出すことをやめ、日本のスイーツとして売り込んだ。日本から輸出したあずきバーを英語表記に直してそのまま卸す。

当初の卸し先は同州の日系やアジア系スーパーが中心だったが、2015年以降、日本食ブームの影響もあり、コストコなど大手量販店に卸すまで販売網が拡大。中国を追い抜き、今や「海外で一番あずきバーが売れる国」となった。

イスラム・アジア圏では2019年にマレーシアへ進出。海外では唯一、現地で原材料を調達し、現地の嗜好に合わせた甘さにローカライズした。また、工場も現地のハラール認証を取得している協力工場で生産。現地の人々の味覚に合うあずきバー「AZUKI BAR」を製造販売する。