新NISAの普及で注目される「S&P500」や「オルカン(オール・カントリー)」などのインデックス投資。しかし、元衆議院議員で投資家の杉村太蔵さんは「つまらない」と一刀両断する。証券会社時代に超一流アナリストから学んだ投資術とは何か。1月に新刊『杉村太蔵の推し株「骨太」投資術』(文藝春秋)を発売した杉村さんに、独自の銘柄選択法を語ってもらった。(全2回の2回目/はじめから読む

【杉村太蔵が"億り人”になった投資術】衆議院で気づいた「ニッポンのお金の流れ」|底辺スタートから逆転|企業利益8倍・内部留保現預金300兆円超…日本株のポテンシャル|年棒一億アナリストの傍で学んだこと

(初出:「文藝春秋PLUS」2026年1月31日配信)

資産額は「富裕層ではない」

――いきなりですが、今の資産額はいくらぐらいなのでしょうか。

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杉村 シンクタンクなどがよく発表している資産階層のピラミッドがありますよね。超富裕層、富裕層、準富裕層といった分類です。様々な定義がありますが、それらを見る限り、私は富裕層にはあたらないと感じています。

――富裕層の定義は5億以上とされていますが。

杉村 ええ、それが富裕層の定義なら、私はそこではありません。むしろ……(笑)。

――それってもしかして「超」ですか……⁉︎

杉村 それよりも私が思うのは、この本に書いた投資の知識をこれまで実践してきて、そのやり方は本当に間違っていなかったということです。そして、これからの時代は、ますます私の考え方が通用するようになると強く感じています。

証券会社の「末端」から学んだこと

――投資術の原点はどこにあるのですか。

杉村 配属先が、とにかく素晴らしかったんです。株式調査部という部署で、そこには世界を股にかけて活躍する、証券界で知らぬ者はいないようなアナリストたちがいました。ほとんどが年俸1億円以上という超優秀なアナリストが20数名在籍しており、私はそのアシスタントのアシスタント、つまり一番下っ端でした。

――もっとも末端の立場だったと。

杉村太蔵さん

杉村 アナリストが書いた、何十枚、時には何百枚にもなるレポートを、正確にホチキス止めするのが私の最初の仕事でした。でも幸運だったのは、その超一流のレポートを、当時23、4歳の若造が無料で読めたことです。超優秀なアナリストというのは、どんなに難しい内容でも、専門知識がない人にも分かるように書くものなのだと知りました。

「ビビッときた」を言語化する

――アナリストから直接学んだことは。

杉村 私はよく「〇〇アナリスト、レポートに書いてあった通りになりましたね。すごいですね!」なんて言いに行ったものです。そうすると、どんなに忙しいアナリストでも、自分のレポートが「予測通りになった」「すごいですね」と直接伝えられると、やはり嬉しいものなんですね。

――そこで何を教わったのですか。

杉村 私が一番「なるほど」と思ったのは、あるアナリストが「投資は勘だ」と言ったことです。「ビビッとくる」ことが大事で、その直感から論理を構成していくのだと。そして、その人の予測が本当によく当たるんです。ですから、この本ではその「ビビッとくる」という感覚を、もう少し言語化した内容を書いています。

――投資の原点となる視点も学んだとか。

杉村 ある時、そのアナリストにこう言われました。「おい杉村、お前はどこに就職したいんだ?」「いえ、今の会社で満足しています」「そうじゃない。もし今すぐ、どんな上場企業にでも転職させてやると言われたら、どこに行きたい? その会社こそが、お前にとっての投資対象だ。自分が就職したい、あるいは自分の子どもや孫に就職してほしいと思う会社は、すごく良い会社なんじゃないのか?」と。