「今の自分が、果たしてお客さんに受け入れてもらえるのかな?」そう思った時は心底怖かったし、不安でした。それでも、『アメージング・グレース』『ボレロ』をバックに、あの時の自分のレベルでできる精一杯の表現をその2曲でお見せしました。
リンクの上の私に、「お帰り!」って声をかけてくれた人がいました。「ジャンプがなくても、感動したよ」って、滑った後に言ってくれた方もいました。ジャンプ無しで2曲も滑ること、実はけっこう大変なんですが、そんな方たちの声のおかげですごく大きく励まされたんです。
「ジャンプって、こんなに大変なことだったんだな」
でも、いつまでも「ジャンプ無しでもOK」なんて、甘えているわけにはいきません。少しでも前に進んでいるところを見せなければ! 2度目のショー(6月下旬、「ドリーム・オン・アイス」)では、「絶対ジャンプを入れる!」と自分への目標を立てました。
だからアート・オン・アイスからドリーム・オン・アイスまでの3週間は本当にきつかったし、死に物狂い。一番得意なトリプルサルコウと、もう一種類、トリプルトウループまでは跳びたい、と思っていたけれど、そんな簡単なものではなくて……。どうしてこんなに跳べないの? って、さすがに悩みましたね。ああ、フィギュアスケートのジャンプって、こんなに大変なことだったんだな、と。跳べない日が続くと、どうしようもない、やるせない気持ちにもなっていきます。
そんなふうに毎日もがいて……初めてトリプルサルコウをショーで跳べた日! 嬉しかったです。もう、泣きそうになったもん!
※約6700字の全文では、AKB48の総選挙に感動した話などについて安藤美姫さんが語っています。全文は月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」に掲載されています(安藤美姫「独占手記『先は考えない今だけを生きる』」)。



