住宅ローン金利はさらに上がる? 家を買う人への影響は
こうした動きに対して、30年にもわたり低金利の恩恵を被ってきた不動産マーケットは岐路に立たされている。
住宅ローンの変動金利型は日銀の政策金利によって決定される短期プライムレートに連動する。2024年7月以来3回にわたる利上げによって0.75%の上昇となったが、今年は複数回の利上げが見込まれる。1月の政策決定会合で利上げは見送られたものの、中立金利といわれるインフレにもデフレにもならないレートの設定が1%から2.5%のレンジにあるとする日銀が、どんなに政権に忖度したとしても政策金利をこのまま据え置く理由はないからだ。
いっぽう固定金利型についてはすでに長期金利の上昇の影響から、フラット35などの住宅ローンでは21年以上の借入の最低金利でも2%を超える条件となっている。
不動産に関わる金利は住宅ローンばかりではない。不動産投資マーケットに対する金利の影響は更に甚大なものになる。東京湾岸エリアなどの区分所有マンションの投資利回りは物件にもよるが表面利回りで3%前後になっている。1年前と比べて、リスクフリーレートとされる10年物国債利回りが1%上昇したということは、投資期待利回りの水準に国債利回りの上昇分を加味しなければならなくなる。つまり昨年までは期待利回り3%で投資できた物件でも、今後の投資においては4%程度の利回りを得られなければ投資対象としては選ばれなくなるからだ。
賃料の引き上げは現実的か? タワマン価格の異変
ならば賃料がインフレに応じて値上げできれば相場は保たれることになるが、現状相場で利回り上昇分を確保するには賃料を33%引き上げることが必要になる。だが残念なことに賃貸マーケットはあくまでも実需ベースで価格決定される。日本国民の実質収入が大幅に改善しなければ、この企みは絵に描いた餅となってしまう。
不動産投資は金融機関からの調達によるレバレッジを駆使して行うものだが、金利という水面が上昇してくれば当然期待利回りを上げていかなければならない。肝心なのは賃料を払ってくれる借り手側の懐事情如何ということなのだ。
現在の東京都心や大阪中心部などの不動産マーケットは実需から離れた投資マーケットで支えられている。投資マーケットの論理は今後の不動産価格に大きな影響を及ぼすことになるのである。