白塗りメイク、艶やかな着物、甲高い声でアバンギャルドな漫談を唱え、ラストには「チックショー」と叫ぶ。『エンタの神様』に彗星の如く登場し一躍時の人となったコウメ太夫(53)。近年ノーメイクでの役者仕事も大きく注目され、NHKドラマへの起用はここ1年で4本と再びのブームの中にある。

 今では賞レースで数多のチャンピオンを輩出するようになったSMA(ソニー・ミュージックアーティスツ)の、最初のブレイクスルー芸人であり、私生活ではシングルファザーとして子育てに奮闘、都内のアパートを管理する大家さんでもある。最高月収400万円から900円のどん底までを味わった“白塗り界”の異端児、コウメ太夫とは一体何者なのか。(全3回の1回目/#2に続く)

コウメ太夫さん ©松本輝一/文藝春秋

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元相方から「絶対にやらない」と…

――コウメ太夫というこのキャラクターはどうやって生まれたのでしょうか。 

コウメ 最初は普通にピンでやっていて、全然うまくいかなくて、相方を探して漫才コントみたいなことをやっていました。普通の格好で。それから相方が何人か変わっていく途中で、僕はこの格好になるんですよ。

――コンビを組んだ状態で?

コウメ そうです。で、相方に「僕がこんな格好だからお殿様をやって」とお願いしたら「絶対にやらない」って言われちゃったので、「まあ、いいか」と思って、そんなのでやってましたけど。結局解散しちゃいましたけどね……。

――ピンになる前からコウメ太夫さんの原型はあった。

コウメ 『エンタの神様』を見てると、こういうキャラクターとかリズムとか決めゼリフとかある人が多いので、この辺をやってたらもしかして一回ぐらい行けるかもしれないなってどこかで思っていました。事務所に入る前から『エンタ』のオーディションに書類を送ってたんですよ。この格好をとにかく見てもらいたいと思って。そうしたら、実際にライブを見に来てくれたんですよね。でも、やっぱりネタがダメだったみたいで、受からなかったんですけど。

――その時のネタは普通のコントなんですか?

コウメ 普通ですね。本当に普通。