息子は「大学生になったらアルバイトもするから」と…
コウメ 「家にいてもいいけど、まずは稼ごうよ」って話はしたんですよ。「この仕事は後10年あるかどうかも分からないし、一年一年ヤバいんだぞ、俺の仕事は」って。
――「一年一年ヤバいんだぞ」(笑)。
コウメ 本当ですよ。息子の学校、バイト禁止なんですよ。だから、バイトしたことなくて。お金を稼ぐってどういうことなのか、それを知らなきゃと思うんですよ。そうしたら「大学生になったらアルバイトもするから」って言ったので、「それなら数学をやり続けなさいよ」と言ったんです。
――コウメさんが梅沢富美男さんの劇団にいらしたのも、大学生くらいの時ですよね?
コウメ 23歳くらいですかね。芸能の世界に憧れていたので、せっかく入った大学を3年で中退して、オーディションを受けまくっていたんだけどどこにも引っかからず……。たまたま雑誌に載っていた梅沢さんの劇団に応募したら即決で合格をいただきました。時代劇向きの顔だったのかもしれません。
――梅沢富美男さんはどのような方でしたか。
コウメ 僕はどっちかというとお兄さんの武生さんにすごいお世話になってました。でも富美男さんもとても優しかったです。稽古はとても厳しくて、一回膝がちぎれるほど練習して。痛くて痛くて、そうしたら富美男さんが来てくださって、「お前、頑張ってるな」って、ばんそうこうを貼ってくれました。あと、劇団に入った時は僕はすぐに人となじめなくて。上下関係がすごく厳しいので、食べ物も手を出していいのか分からず、遠慮しすぎてほとんど食べてなかったんですよ。そうしたら、それをどこかで見てるんでしょうね。ある日急にバッとおにぎりと牛乳を渡されて。
――優しい。
コウメ 優しいんですよ。メイクも教えてもらいましたね。「実際こういうふうに描くんだよ」って。さりげなく手を差し伸べてくれる方でした。芸事は、僕はマイケル・ジャクソンのダンスとかが得意だったので、あっという間に役がもらえたんです。でも他のことがダメで「マイケル・ジャクソンのダンスはあれだけ踊れるのに、この簡単な振りがなんで入らないんだ」って怒られたことはあります。
