「チクショー」という決め台詞が生まれたのは…

――そんな謙虚で穏やかなお人柄から、あの「チクショー」という決め台詞はどうやって生まれたのでしょうか。コウメさんから「チクショー」みたいな攻撃性をほとんど感じないです。

コウメ 攻撃されると対抗はしますよ。自分の心が耐えられなくなった時は吠えますし。「チクショー」はその叫びです。

インタビュー場所で直筆の「チクショー!」を書いていただいた ©松本輝一/文藝春秋

――若手芸人たちがコウメさんをいじることについてはどうですか。チクショーですか?

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コウメ いいんです。お笑いだから、それで成り立つのであれば、そうしたほうがいいですよ。あんまり来るとムッとくるかもしれないけど。でも、思っても言わないでしょうね。

――お話を伺っていると、コウメさんの根底にはご自身への揺るぎない信頼、自信があるように思えて。だから多少雑にいじられても大丈夫なのかなって。

コウメ 僕自身はあんまり自信を持ってると思ってはいないんですよね。「もっと自信持ってくれ。来世は自信を持つ男になって生まれてこい」とは思ってますけどね。

――例えば部下との付き合い方だったり、子どもとの関係だったり、悩みを抱えた中年男性の方が多いと思うんです。本当はもっとしゃべりたいけど、なかなか部下も子どもも近寄ってきてくれないとか。“コウメ太夫”という存在には学ぶべき点がたくさんある気がします。愛される存在の秘訣ってなんでしょうか。

コウメ えっ、秘訣? 難しいな。まあ、素直だとは思います。あとは何だろうな。楽しませようとどこかで思う。気をどこかで使う。そうだな……この格好をしてみればいいんじゃないですか。

――外側からコウメ太夫になる。

コウメ それが早いかもしれないですね。この格好になったら、スイッチ入りますし。だって、お腹もちょっと締め付けられている感じがするし。いまだに鏡を見て「うわっ」と思いますし。普通に二度見しますし。

――(笑)。

コウメ たまにちょっとびっくりしますよ。「ああ、そうだ、俺コウメ太夫なんだ」って。

©松本輝一/文藝春秋

写真=松本輝一/文藝春秋

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